竹村氏は、大森時生氏(テレビ東京)や原田和実氏(フジテレビ)の登場を待望していたという
20代の気鋭テレビディレクターと共鳴した「既製品のテレビはつまらない」
竹村は近年では大森時生によるフェイクバラエティ『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』『このテープもってないですか?』(ともにBSテレ東)や、原田和実による『ここにタイトルを入力』『有吉弘行の脱法TV』(ともにフジテレビ)など、20代の若者が手がけるメタ的な作品にも構成として参加している。
「大森くんと原田くんにはほぼ同時に相談を受けたんです。2人はやりたいことや好きなことは違うんですけど、根底は一緒なんですよ。既製品のテレビはつまらないということ。だから両方とも、世間の人が思っている『テレビってこういうものだよね』というのを利用して作っている。
2人は僕とは20個近く年が離れているんですけど、20年遅れてようやく“同士”がテレビ界に来たなって思いましたね。たぶん、これまで僕が作ったものを見て、この人だったら話がわかってくれるだろうという思いで僕に声をかけてくれたんだと思うんで、だから僕は安心させて背中を押してやる役。『いいんだよ』って(笑)。
大森くんの場合、たとえば『奥様ッソ』では、サブ出しの映像はフェイクドキュメンタリーで、加えてそれをスタジオで見るAマッソすら嘘をついている。いわゆる本当に“味方”が誰もいない状態にしている。そこが原田くんとの大きな違いなんです。
原田くんの場合やっていることは『こんなテレビ番組は嫌だ』みたいな大喜利的なことなんですけど、戸惑うせいやさんとかツッコむ小峠(英二)さんとか、異常な状況に異常であると発することのできる“常識人”を入れるんですよ。その意味では彼らの存在は視聴者にとっては“味方”ではあります。やっぱりバラエティ畑の人でちゃんとバラエティのフォーマットに則ってバラエティを崩している。根底は同じなんですけど、そこが決定的に違う」(竹村)
