2023年は劇場公開作品8本 監督、プロデューサー業にも進出
──なりたいと思ってなったわけではないという俳優業ですが、現時点でのご自身の評価はいかがですか? 昨年公開された『過去負う者』の演技は印象的でした。
主役を張れるような役者ではないことは自覚しています(笑)。でも、様々な作品に俳優部で参加して、インディーズ作品とはいえメインキャストの数もそれなりにあって、2023年は劇場公開作品が8本もありましたから、「役者も少々やっています」くらいは言っても許されるかなとは思っています。何より、自分の演技を見て、自分らしいな、と思っています。
とはいえ、NHKの連ドラに出たいとか言い出すと、ハードルがぐっと上がるし、今の僕では手が届かない。役者もやっていきたいんだけど、監督の勉強をしてみたり、プロデューサー業に声がかかったりしてみると、そちらはそちらで自分が力を発揮できるなら、俳優にこだわり続けるだけでなくても良いのかなと、最近は考えています。現在、太田信吾監督『沼影市民プール』というドキュメンタリー映画の共同プロデューサーもしているので、よろしければ応援してください。
──本業があるみやたにさんにとって、役者をはじめとするアート活動で稼ごうとは思っていませんか?
それはないですね。もちろん弁護士業があるから、というのもありますが、そもそも僕の中でアーティストというのは、人に認めてもらうかどうかというのとはちょっと違うというか、たとえば、さほど儲かっていないけれど舞台に立ち続けているアーティストを僕はたくさん知っています。舞台に立つ喜びを知っているから、彼らは舞台に立ち続けているのです。自分の技術を高めたいし、評価されるからチャンスも増えるわけで、もちろん評価されれば嬉しいけど、儲けたいというのはないなあ。まあ一気にハードルが上がるというのもありますよね。
ちなみに、ある時期ちょっと俳優の収入も増えて、「アパートひとり暮らしだったらバイトしないでも食べていけるかも」っていう時期が続いたことがあったのですが、とんでもない勘違いで、その後すぐ「ああ、バイト辞めてなくてよかったあ」という状態になりました(笑)。僕はまだその程度です。二足の草鞋だなんてとんでもない、両立なんか出来てません。片足は立ってるけど、もう片足はしゃがんでますから。