国内

ドラマで話題の”院内警察”だけではない 警察OBたちの意外な再就職先とその役割は?

病院で起きる事件や事故、トラブルに対応するため警察の知識と経験が生かされている(イメージ)

病院で起きる事件や事故、トラブルに対応するため警察の知識と経験が生かされている(イメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、足立区の死体遺棄事件で逮捕された、ドラマで話題の”院内警察”のような、警察の知識と経験が生きる意外な再就職先について。

 * * *
「院内警察というのは本当にあるのか」。1月12日からフジテレビで放映され始めた桐谷健太さん主演の『院内警察』というドラマを見た知人に、そう聞かれた。答えは「実在する」だが、働いているのはその多くが定年退職した警察OBだ。

 院内警察は院内交番、院内ポリスなどとも呼ばれ、一部の大学病院や国立病院で立ち上げられた組織だ。患者やその家族、見舞客らなど不特定多数が自由に出入りする医療機関は、置き引きや窃盗などに注意が必要だ。医師や看護師などへの暴力や病院へのクレーム、患者同士のケンカに職員のセクハラや非行問題など、様々な事件や事故、トラブルが発生する。その対応や解決に院内警察で働く警察OBが当たっている。

 ドラマでは院内交番と呼ばれ、桐谷さん演じる主人公も元警視庁捜査一課の刑事で、警察を辞しこの勤務を志願したという設定になっている。2004年、日本で初めて院内交番として渉外室を設置した東京慈恵会医科大学病院で、その任に最初に就いたのも元警視庁捜査一課の管理官だった横内昭光氏だ。慈恵では今でも横内氏の部下らが渉外室に勤務しているという。

 ところで、警察OBが働いているのは医療機関だけではない。日本全国の様々な企業や組織が警察OBを採用している。不特定多数が出入りするホテルや百貨店、テーマパークやイベント会場を運営する企業、1つ間違えば大事故につながる可能性がある鉄道会社や航空会社にも警察OBがいる。各県警や警視庁では退職管理条例等に基づき、公表されている署長や本部長など一部の警察官の再就職先は多岐に渡るが、医療機関に再就職するOBは限られている。

 各県警で比較的OBが多いのは交通関係や自動車関係の組織だ。運転免許や交通規則に関わる業務に携わる地元の自動車学校や交通安全協会などだ。事故処理などの損害保険を扱う損保会社や共済組合などの保険業にもいる。大都市を抱える県警や警視庁では、銀行や消費者金融などの金融業や証券業、客からのクレームに対応しなければならない飲食業や万引きやスリなどの対策が必要な小売業などにも多い。建設業や不動産業、製薬業やエネルギー関連や石油業、ゲーム機器メーカーなどの製造業、各地の市役所などに再就職する者や、パチスロ関連、公営ギャンブル関係に行く者もいる。警備員になる元警察官が多い警備業は定番の再就職先の1つだ。どの企業もトラブルや事故、事件発生に備えて必要な知識と経験を持ち、いざという時に警察と協力し連携できるルートや体制を整えておきたいのだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン