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《「女が売る」ケースも》時効まで逃げ切れるか直前に逮捕されるか、逃亡犯の”明暗”を分けるものは何か

指名手配されて逃げ切るのは難しい(イメージ、EPA=時事)

指名手配されて逃げ切るのは難しい(イメージ、EPA=時事)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、指名手配から逃げ切る難しさと、逮捕のきっかけについて。

 * * *
「今の時代、逃亡したところで逃げ切れるヤクザはほとんどいない」。関東で活動する暴力団の古参幹部は、今年に入り逮捕された重要指名手配犯・暴力団幹部の金重行容疑者のニュースにこうつぶやいた。

 2020年9月に長野県宮田村の飲食店駐車場で同じ暴力団幹部だった男を撃ち逃走していたが、2024年2月1日、潜伏していた仙台市内のアパートで逮捕された。きっかけは長野県警駒ヶ根署に設置されたフリーダイヤルにかかってきた「仙台市内で似た人物を見かけた」という匿名の情報提供だ。「外に出ればおのずと人目につく。出なければいいだけが辛抱できない。逃亡は我慢だ」と古参幹部はいう。「逃亡直後は緊張感があるので潜伏先で大人しく息を潜める。だが時間が経つにつれて緊張は緩み、外に出たくなる。これが命取りだ」(古参幹部)。

 今は指名手配犯の写真もネットで検索すれば閲覧可能。誰かがその顔に「あれ?」と思えば、すぐに写真の顔と見比べられる。情報提供があれば、警察はその周辺を徹底的に聞き込み捜査する。防犯カメラの映像に姿があれば、それをたどり潜伏先を見つけ出す。本当に潜伏しているか、張り込みで行動確認を行う。「逃げ切りたいなら、潜伏先の部屋から一歩も出ず、窓にも近づかないことだ」という古参幹部はあるヤクザを例にあげた。「知っているヤクザで逃げ切ったのはそいつぐらいだ」。

 そのヤクザは傷害致死罪の容疑で指名手配された。些細なことがきっかけでケンカになった相手は、打ち所が悪く病院に運ばれ数日後に亡くなった。目撃者はなかったが、店先の防犯カメラの映像から容疑者と特定された。傷害致死の時効は20年。量刑は3年以上の有期懲役。前科のあるヤクザなら3年で済むわけがない。仲間や友人を頼って逃亡を続け、時効まであと半年というところで、警察は再び聞き込み捜査を始めた。

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