芸能

ハリウッドでの信頼を勝ち取った真田広之「意地張って頑張ってるわけじゃない。アメリカ、楽しいんだよ」

真田広之

真田広之

 ハリウッド作品として初主演かつ初プロデュースを務めるドラマ『SHOGUN 将軍』が2月27日よりディズニープラスで配信される真田広之(63才)。師匠・千葉真一さんと絶縁状態になるなど、ここまでの道のりは平坦なものではなかった──。【前後編の後編。前編から読む

 私生活では、1990年に手塚理美(62才)と電撃結婚したが、1995年、映画で共演した葉月里緒奈(48才)との不倫密会が報じられてしまう。当時、身重だった手塚は大きなショックを受け、およそ2年後に夫婦は離婚。

「その頃の真田さんは、二枚目でアクションができ、さらに誠実というイメージでした。その彼がまさかの不倫スキャンダルで、人気が凋落してしまったのです。

 しかも相手が悪かった。葉月さんは当時19才で、その後に出した暴露本で真田さんとの不倫を赤裸々に綴り、ヘアヌードも出版。“悪女”を地で行く彼女は連日のようにメディアに取り沙汰され、そのたびに真田さんのイメージは落ちていったのです」(ワイドショー関係者)

 不倫騒動で世間からバッシングされた真田に転機が訪れたのは2003年。日本を舞台にしたトム・クルーズ主演のハリウッド映画『ラスト サムライ』の出演が決まったのだ。

 同作は、明治維新直後の日本を舞台に、トム演じる米国軍人が「武士道」と出会う姿を描く。日本人俳優は真田が武芸の達人・氏尾、渡辺謙(64才)が武士団のリーダー・勝元を演じたが、これには裏話があった。

「当初、日本側は真田さんを主要キャストの勝元役に想定していたが、監督は“空気”を読まず、オーディションで渡辺さんを選んだ。日本側が不快感を顕わにして現場がギクシャクするなか、真田さんが『自分が(勝元の家臣の)氏尾をやります』と名乗り出て、監督と渡辺さんをフォローしました。真田さんの男気に監督は“これぞサムライ”とばかりに感服したそうです」(配給会社関係者)

 かつて東映京都撮影所で鍛えられ、時代劇をこよなく愛する真田は「日本」に対する思いが人一倍強い。

「真田さんは常に『アメリカ人の間違った日本人像を壊したい』と口にして、『ラスト サムライ』の撮影でも衣装や小道具、所作などの細かな点まで『それは日本じゃない』と口を出し、スタッフに毛嫌いされた時期もあったようです。でもその結果、同作は誰もが認める名作になりました」(別の映画会社関係者)

『ラスト サムライ』の現場を通じて海外進出への思いを強くすると同時に、不倫騒動や離婚を経て、どこか居心地の悪い思いをしていた日本の芸能界への決別の思いも込めて、2005年、40代半ばにしてロサンゼルスに拠点を移す。しかし彼を待っていたのは、決して順風満帆とはいえない生活だった。

「アメリカの作品ではそもそもアジア人役の需要が少なく、さらに真田さんは小柄で体格面も不利でした。

 また、渡米時は日常会話がやっとの状態。言葉の壁も大きく、なかなかオファーが来ませんでした」(前出・映画会社関係者)

 それまで仕事漬けだった真田が、ひとたび海を渡れば仕事がなく、英語のレッスンとオーディションの日々。だが自由な時間を得た真田は、やるべきことを研ぎ澄ました。

「実際にロスに住み、いかに『日本人』が偏ったアメリカ目線で描かれているか改めて実感したそうです。そして“日本人が見ても楽しめる日本人像にすることが自分の役割だ”との思いを強くしました」(真田の知人)

 強い信念が周囲に伝わると徐々にオファーが増えた。映画『ラッシュアワー3』(2007年)ではジャッキー・チェン、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)ではヒュー・ジャックマンと共演し、2014年にはスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の超人気ドラマ『エクスタント』にレギュラー出演した。

 努力の結果、英語もマスター。真田の何事にも妥協しない姿勢は高く評価され、プロデュース能力も注目されるようになっていった。

関連記事

トピックス

この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン