盤石のはずの投手陣に不安が
西武、ダイエー、阪神でヘッドコーチを歴任し、岡田阪神で編成部長も担当した野球評論家の黒田正宏氏はこう言う。
「まだオープン戦とはいえ、岡田監督も不安が多少あると思います。岩貞祐太、石井大智といった中継ぎ投手が仕上がっていない。これまではオープン戦でもしっかりと後半を抑えていたが、石井は3試合連続失点ですからね。加治屋蓮、島本浩也も調子が上がっていない。
ただ、先発は駒が揃っており、伊藤将司と大竹耕太郎の左2枚がしっかりしてくれれば、大丈夫だと思いますね。ストッパーは岩崎優をいかせるが、スライダーが武器の新外国人・ゲラが入ったことで安心できる部分が大きいのではないか。もちろんオープン戦の勝ち負けは気にする必要はないが、中身ですよね。試すことは多いが、それでも、勝てる試合をひっくり返されたり、僅差を逃げ切れないと不安になるでしょう」
開幕戦の前哨戦となった3月10日の巨人戦(甲子園)にはオープン戦過去最多の4万1129人を集めたが、救援投手7人で5失点の内容。この試合まででオープン戦13失策。44失点とともに12球団ワーストの数字だった。守りの綻びに加え、主軸の大山悠輔や佐藤輝明の調子がイマイチ上がらない。ただ、スポーツ紙デスクは「やはり深刻なのは投手陣」と話す。
「雨の影響で実戦が少ないため、先発ローテもまだはっきりと決まっていないという。青柳晃洋、大竹、才木浩人、村上頌樹、伊藤将司、西勇輝を予定していたが、西勇はキャンプで足の張りを訴えて実戦不足だったことからファームの開幕戦に回る予定。昨年自己最高8勝の才木はキャンプを体調不全で満足に投げられていません。
臀部の張りで大事をとっていた青柳晃洋と大竹耕太郎も不安が残る。先発ローテは、調子が悪ければ門別啓人と入れ替えると宣言されている。オープン戦のチーム防御率は3.28でリーグ5位(3月13日時点)。岡田監督もマスコミの前では平然とやっているが、ベンチ裏では“ちゃんと教えとけ”と投手コーチやバッテリーコーチを怒鳴りまくっている」