ドジャース・大谷翔平(29)を通訳として支えてきた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したために、チームを解雇された。米メディアの報道によれば、水原氏が負債を抱えていたブックメーカーに対し、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の送金があったとされる。解雇となる際に水原氏はドジャースナインに対し、「自分はギャンブル依存症」と告白し、謝罪したという。ギャンブル依存症とは、どれほど恐ろしいものなのか。
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏は次のように語る。
「普段、私たちは、“誰でもギャンブル依存症の当事者になり得る”ということで、啓発活動を行なっています。自分自身がギャンブル依存症でなくても、家族や友人知人、会社の同僚などが、ギャンブル依存症問題に巻き込まれることがある。誰もが他人事では済まされないのです。今回、水原氏の報道を受けて、あの大谷選手までが問題に巻き込まれる当事者になるなんて、と驚き、また改めてギャンブル依存症の恐ろしさを実感しています」
世界的なスターとなった大谷の通訳を長く務めてきた水原氏。米メディアではドジャースからの報酬は年間30万~50万ドル(約4500万~7500万円)と報じられているが、7億円近かったという負債の額とは乖離がある。ただ、前出・田中氏によれば、ギャンブルで年収の何倍もの借金を抱えてしまうケースは、決して珍しくないのだという。
「麻雀やパチンコでそこまでの借金が積み上がることはないかもしれません。しかし、今のギャンブル依存症問題の主流は、オンラインカジノです。オンラインカジノの支払いはキャッシュカードが使われます。数枚持っていればすぐに高額の借金が積み上がってしまう。そのため、普通のサラリーマンでも数千万から億の借金を抱える事案が増えています」
田中氏自身、2億円の借金を抱えたサラリーマンから相談を受けたことがあるという。
「水原氏のような立場であれば、限度額の高いブラックカードなども持てたのかもしれません」(田中氏)