そんな2人の突然の退所劇。関係者を取材すると、昨年に起きた2つのある“重大事件”が引き金となっているという。1つ目の要因は、当時同じ事務所に所属し、自殺ほう助容疑で逮捕された歌舞伎俳優・市川猿之助(48)の事件だった。
同年11月に東京地裁で懲役3年、執行猶予5年の判決が確定した影響で、猿之助が総理大臣役で出演していた『劇場版 緊急取調室THE FINAL』が公開延期となったのだ。
猿之助の有罪判決を受けて「ケイファクトリー」は昨年11月17日付で契約を解除。『劇場版 緊急取調室THE FINAL』の猿之助出演シーンは撮り直しとなり、半年以上経った今も公開のめどは立っていない。猿之助と仲の良かった佐々木のショックは大きかった。
「蔵之介さんは、2014年に当時に猿之助さんのオファーで、歌舞伎デビューもしています。顔の白塗りを猿之助さんに作ってもらうなど、親友といえる関係でした。しかし、蔵之介さんは猿之助さんの事件で公開が延期された映画『緊急取調室』にも重要な役で出演していて、責任を感じて映画関係者らに何度も謝っていたそうです。猿之助さんの事件以降、蔵之介さんとしても仕事がしづらい状況が続いていたようです」(同前)
そして、2つ目の要因は、昨年7月の中古車販売大手「ビッグモーター」の保険金不正請求問題だ。
ビッグモーターを巡っては、事故車の修理際、故意に車体にキズを加えるなどして損害保険会社に保険金を水増し請求していたことが発覚。「車を売るならビッグモーター」のキャッチフレーズで飛ぶ鳥を落とす勢いだった同社のCMを2017年から務めていたのが佐藤だった。
「佐藤さんのCM契約金はドラマや映画の制作も行っているケイファクトリーにとっても重要な収入源でしたが、まさかビッグモーター側が不正を行っていたとは知らず、困惑していたようです。
実は隆太さんは1社のイメージが定着するのを避けたいと考えていて、数年前から同社とのCMに『区切りをつけたい』と相談していました。事件を受けて昨年7月にCMを自主降板しましたが、現在も多くの人々に“佐藤隆太=ビッグモーター”のイメージが定着してしまっている状態で、心機一転、事務所を移籍することで再スタートを図りたいと考えたようです」(同前)
“明日にきらめく”ために新たに歩み始めた2人だった。