「それだけ守ってきました」と天海サンの言葉を励みにがんばっていたことを都度、話してきた伊藤サン。
実は『女王の教室』の2年前、高岡早紀サン(51才)主演の『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』(読売テレビ・日本テレビ系)から伊藤サンの演技に注目していたのは、日本テレビのカリスマ演出家・水田伸生さん(65才)でした。ドラマ『Mother』(日本テレビ系)のオーディションで、あの芦田愛菜サン(19才)を見つけた水田監督は、ほかの子役ちゃんたちのこともよく見ていらしたのです。
そんな水田さんが演出のドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系、2018年)に伊藤サンは出演。そして、水田さんとたびたびタッグを組まれている脚本家の坂元裕二さん(56才)がナレーターで伊藤サンを抜擢したのが、松たか子サン(46才)主演のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系、2021年)でした。この頃から伊藤サンのハスキーボイスと、自身のエッセイのタイトルにもなっている名前の読み方、『【さり】ではなく【さいり】です。』(KADOKAWA)が世間に浸透。
お兄様がお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介サン(34才)であることも、「一時、家がなかった」「母は軽トラで寝泊まりしていた」という、なかなかの貧乏エピソードなども広まっていきました。
劇作家の蓬莱竜太さん(48才)との交際写真を撮られたのも、その頃。売れてくると「とりあえず張り込んでみよう」とするのが週刊誌や写真誌の常識ですが、伊藤サンについても、その結果、撮れてしまったのだと思います。
伊藤サンがすぐに認め、当時の報道で名前が出てしまった蓬莱さんの元カノさんまで気遣ったことを、絶賛するかたが多数いらっしゃいました。常に正直で、言葉数がものすごく多いワケではないけれど、人々を納得させられる術を持っているのが伊藤サンなのです。
このキャラクターを嫌いだという人はまずいないということでテレビCMもますます増えているし、そのどれもがチャーミングで、ちょっと笑える。いわゆる美人女優さんとは異なる豊かな表情も大きな魅力です。
実は伊藤サンと私は誕生日が同じ。強運な大物ばかりが名を連ねる5月4日です。今年で伊藤サンは30才。魅力的な人柄という点で、主人公のモデルの三淵嘉子さんにソックリな伊藤沙莉サンの『虎に翼』を今後もリアタイいたします!
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2024年4月18日号