『ぼくらの七日間戦争2』公開時のサイン会でサインを書く先生(提供写真)
本作で女優デビューした宮沢りえは、日本アカデミー賞新人賞を受賞。宗田さんも強く印象に残っている。
「菅原比呂志(現・浩志)監督 が『すごい女の子を見つけましたよ』と興奮していました。そうか、という程度に思っていたのですが、実際に会ってみると、本当に輝くばかりの魅力的な女の子でびっくりしました。彼女は当時14、15歳。ある日の撮影後に2人で話をしていたとき、『君はこれからどんなことをしたい?』と聞いたら、『この戦車に乗って、家まで帰りたい』と言ったのです。そのときの屈託のない笑顔は、今も覚えています。
彼女はその後も、映画やドラマで活躍していますね。その姿を見て、艶のある素敵な大人の女性になったなあ、と思っていました。2019年にアニメ映画化された『ぼくらの7日間戦争』で、彼女は昔と同じ役で声の出演をしました。アフレコを見学に行ったときに何十年ぶりかで会って話をしたら、一瞬で昔に戻ったように感じました」
宗田さんの新作の話などをしたという。もし、『ぼくらの七日間戦争』の現代版を書くとしたら、どんな作品になるだろうか。
「最近は社会の変化が激しく、これまでに大人たちが築き上げてきたやり方が通用しなくなってきています。そうした中で、力を失い、弱ってしまった大人を子どもが助ける話です。子どもは古い常識にとらわれていないから、新しい時代を作れます。主人公は女の子にしてもいいですね。ある日、クラスの女子生徒たちが学校に来なくなる。それぞれが自宅の自室で何かに没頭しているようだが、実は、彼女たちには、彼女たちだけの壮大な計画があった……」
現代版『ぼくらの七日間戦争』をぜひ読んでみたかった。
(第2回に続く)
