デビュー当時の宮沢りえ
女優デビュー作飾った宮沢りえとの思い出
映画『ぼくらの七日間戦争』は3年後に映画化され、映画を楽しく見た、という小説ファンや、映画から小説に手を伸ばした小中高生も多かっただろう。
「『ぼくらの七日間戦争』を出版すると、すぐに複数の映画会社から『映像化したい』と声がかかりました。『そんなに評判がいいのなら、うち(角川映画)でやろう』と、角川書店の当時の社長、角川春樹氏が放った鶴の一声で、角川での映画化が決まった、と聞きました。
『どんな映画になるのだろうか』と思いましたが、できあがった作品を見たら、映像としての華やかさ、インパクトがあって、とてもおもしろいと思いました」
戦車の登場をはじめ、映画は小説とは異なる部分も多い。中学生たちが廃工場にたてこもり大人と対決する、というメインストーリーは同じだが、映画ではイデオロギー的な部分は描かれていない。それでも、宗田さんは「大変満足しています」と語る。
「基本的に、自分の書いた小説が原作でも、自分の手を離れた映画や漫画は別物だと考えています。ですから、細かい注文をつけることは、ほとんどありません。
主題歌『SEVEN DAYS WAR』を含めて、TM NETWORKが担当した音楽もすごく気に入りました。映像との相乗効果で、心を揺さぶられる名場面がいくつもありましたから。小説とはまた違う、映像と音楽の表現が魅力的な作品だと思います」
宗田さんは東京・小平などの撮影現場に何度か見学に行き、若い俳優たちと言葉を交わした。映画の完成後は、キャンペーンのために北海道や九州など全国を一緒に回り、食事を共にしたことも楽しい思い出だという。
