「寛容ラップ」も話題になった呂布カルマ(本人のInstagramより)
呂布カルマ──相手を言い負かしても得るものはない
呂布カルマは、数々のMCバトルで優勝を果たして「最強」とも称されるラッパー。テレビのコメンテーターとしても活躍し、ACジャパンのCMでは、相手をディスらない「寛容ラップ」を披露して話題になった。
2022年、インターネット番組「マッドマックスTV論破王」(ABEMA)に出演したときには、「論破王」として名高いひろゆきに勝利。以後、レギュラー出演となった。
だが、文春オンラインのインタビューでは「いまだに自分が本当にディベートが得意なのかわかっていないです」と回答。その理由をこう明かした。
「ディベートって、自分の主義主張をぶつけるよりも、相手の立場に立つことがポイントじゃないですか。そもそも、そのルールを理解していない対戦相手がほとんど」
相手を論破すること自体にも否定的で、「ある程度大人だったら、論破なんてしないほうがいいとわかるじゃないですか。幼稚なんですよ、論破って」として、ディベートの本来のあり方について、次のように語った。
《ちゃんと相手に逃げ道を残してあげる、それがディベートの正しいやり方だと思うんですよ》
ビジネスでもプライベートでも、相手の間違いを指摘したり、意見を戦わせたりするときに、言いすぎてしまわないように、頭に入れておきたい言葉である。
インタビューで呂布は「実際ひろゆきさんも『論破しましたよ』なんて言いません」とも。よくある誤解をさりげなく解くあたりにも、気遣いを感じる。 相手を言い負かしても得るものは何もなく、失うものしかない。熱意があるばっかりに、自分の意見だけを主張しすぎていないか、気をつけよう。