国内

《那須夫婦焼損事件》「実行犯は暴力団とかかわりない」と暴力団関係者が事件直後に判断した根拠「暴力団らしからぬやり口」とは?

殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)

殺害された宝島さん夫婦の長女と内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)

 栃木県那須町の河川敷で燃やされた夫婦の遺体が見つかった事件は、首謀者とみられる男が逮捕され、新たな展開を見せている。当初、一部では暴力団関係者の関与を指摘する声が出ていたが、今のところそうした事実は明らかになっていない。当の暴力団関係者は事件をどう見ていたのか。暴力団組織の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が明かした。

 * * *
 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月、会社役員夫婦の遺体が焼かれた状態で見つかるという事件がおきた。遺体はいずれも結束バンドで両手を縛られ、黄色のビニール袋を被せられ、その上から粘着テープが巻かれ、十字に重ねられて焼かれていた。警察官が現場に急行すると、遺体は両方ともまだ火がくすぶっていた状態だったという。

 この事件翌日に会った暴力団関係者S氏は、開口一番「栃木の件で大騒ぎだよ」といい、多くのメディアからと問い合わせがきていると話す。遺体の処理が猟奇的だったからだろう。メディア各社は暴力団が関係しているのではと疑い、「何か情報がないか」とS氏に連絡を取ってきたのだ。

 被害者は東京・上野で十数件の飲食店を経営する宝島龍太郎さん(55才)と妻の幸子さん(56才)。遺体が遺棄されて燃やされていたのは、那須町中心部のJR黒磯駅や黒田原駅から車で10~15分ほどの場所。黒磯市に住む知人は「駅から近いけれど山の中にある河川敷だから行く人はほとんどいない。だけどその奥には家があるはず」という場所。那須町はJR那須塩原駅周辺には住宅街や商店街があるが、少し走れば田んぼと山と川が広がる自然豊かな場所だ。

 事件が明るみに出るとすぐ、メディア各社のヤクザ担当から暴力団と事件との関与を聞かれたS氏は、早速独自の情報ネットワークを駆使して情報を集めた。「蛇の道は蛇」ということわざがあるように、もしヤクザが関係しているなら、彼らには早いうちから何らかの噂や情報が流れるものだ。このネットワークはとにかく情報が集まるのが早い。この記事を書いている最中にも、東京都調布市で8日未明、男が交通トラブルによる口論のすえ、拳銃のようなものを発砲して逃走するという事件に関する情報が流れてきた。犯人と思しき人物はどこそこの組で、○○〇というヤツではないかという。この情報網は暴力団と関係する半グレなどの動向も、ある程度探ることができると聞く。

 そうして素早く情報を集めたS氏は、問い合わせしてきたメディアに「暴力団とのかかわりは今のところどこからも出てこない。暴力団が絡んだ事件ではないだろう」と返答したという。それを聞いた各社のヤクザ担当たちは出番を失いがっかりしたらしい。S氏による事件の見立ては「実行犯は暴力団とかかわりのないような半グレや輩だろう。やり方がずさんだ」だった。

関連記事

トピックス

小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン