イケメンな眼差し

イケメンな眼差し

「『ギャランドゥ』を叩いた」

 5才からドラムを習い、小学生時代には西城さんのライブステージで叩いたこともあった。

「父のステージで、本物のドラムを見てハマりました。父のコンサートに出演したのは10才の頃。何度もリハーサルで練習して、東京・横浜・大阪のステージで『ギャランドゥ』を叩いたことは、いまでもよく覚えています」

 当時から聴いていた音楽は流行歌ではなく、歌謡曲とR&Bだった。

「特に父を意識したわけではなく、最初から自然と惹かれていました。感性が超古いんですよ(笑い)。WANDSや尾崎豊さん、玉置浩二さんら昔のロックバンド、EXILEなら、初期の清木場俊介さん時代とか。打ち込みのデジタルサウンドよりも、ドラムやギターの生の音、そして、やっぱり歌唱力のあるボーカリストが好きなんです」

『ハチオウジダマシイ』では、藤井フミヤ(61才)の歌声に初めて触れた。

「失礼ながら、それまで存じ上げていなかったんですが、びっくりしました。フミヤさんの歌声に、全身に鳥肌が立っちゃって。『TRUE LOVE』なんて、うますぎるだろ!って。その夜、家に帰ってすぐにソロやチェッカーズ時代の曲を聴き漁りました」

 もちろん父の偉大さは、誰よりも熟知している。

「息子が言うのもアレですけど、マジであの人は歌がうまいんです! ミュージシャンの従兄弟がいるんですが、彼が父の歌声を研究したら、周波数が一般人と明らかに違うんだそう。だから、普通の人が父の曲をそのままカバーしても、うまくハマらないんです。『傷だらけのローラ』なんて、あんなふうに歌えるのは、世界中で父だけなんですよ」

 西城さんは、慎之介が生まれる直前から脳梗塞を患っていた。息子が知る父は、スポットライトの下で歌う大スターではなく、長い闘病生活の姿だった。当時、父の偉大さがよくわからなかったのも無理はない。

「父との時間は取り戻せないですから……だからいま、パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています。パパが得意だった音域が豊かな歌い方を、もっと極めたいなって。1970~1980年代の大阪球場のコンサート映像なんて、完コピできるくらい見返しています!」

 西城さんの歌唱力について熱く語り出すと、自然と「父」から「パパ」へと呼び方が変わっていった。西城さんが亡くなったのは慎之介が15才のとき。普段の呼び方は当時のままだ。

「ドラムを練習していたおかげでリズム感はよかったのですが、以前はカラオケに苦手意識があって、友達の前でもめったに歌わなかった。自信もなかった。でも、ボイストレーニングをしていると、『声がいい』とよく言われます。父の作品などで勉強して必死に練習してきたので、最近は結構自信がついてきました」

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