今年秋に「環境激変」の懸念

 来場所で連覇などの好成績なら、一気に大関昇進という期待も膨らむ一方、「勢いそのままで年内に昇進しないと、大の里を取り巻く環境が大きく変わってしまうのが心配だ」(若手親方)とする声もある。若手親方が続ける。

「所属する二所ノ関部屋には、大の里を含め3人の関取がいる。残り2人は幕内の友風と十両の白熊。ともに日体大出身の学士力士です。優勝パレードで旗手を務めた白熊と幕下の嘉陽は大の里と同じ糸魚川市立能生中学、海洋高校(ともに新潟)から日体大という経歴で、1年早く角界入りしている。学生時代から大器と期待された大の里をめぐってはスカウト合戦が繰り広げられたが、二所ノ関部屋を選んだ理由のひとつがアマ時代に団体戦を共に戦った白熊と嘉陽の存在だといわれている」

 他にも二所ノ関部屋には宮城、和氣の里と日体大出身の力士がいる。大の里としては大学のOBたちに囲まれて居心地がよさそうだが、その環境が大きく変わる可能性があるのだという。相撲担当記者が言う。

「今年の9月場所後に二所ノ関部屋付きで日体大OBの中村親方(元関脇・嘉風)の独立が内定したという。それに伴って内弟子として尾車部屋から連れてきた8人、さらに二所ノ関部屋に移籍後に内弟子として獲った嘉陽と白熊も含めた8~10人が移籍するとみられています。

 新しい部屋は両国駅前の旧陸奥部屋の建物を充てる予定だとされる。陸奥親方(元大関・霧島)が経営する“ちゃんこ霧島”の裏手にあり、今年3月まで陸奥部屋として使用されていた。陸奥部屋時代と同じく、賃貸物件としてそのまま入居する予定とされています。中村親方はもともと、独立の準備は進めていたが、時期を少し早めたようだ。大の里は日体大出身で、中村親方や白熊、嘉陽を頼っての入門だったが、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の弟子ということで移籍はしない」

 そうなると、今年9月場所後には二所ノ関部屋の関取が大の里だけになると考えられるわけだ。部屋に残るとみられる力士を見渡すと、現状で幕下力士は花の海、麟虎の2人で、あとは三段目以下の力士が10人ほどという構成だ。前出・担当記者が続ける。

「関取でひとりだけ抜けた存在がいるという状況は、トラブルが起きやすい。湊部屋で師匠とのトラブルなどがあって引退してしまった逸ノ城のような例もある。近くに相撲部屋があれば出稽古ができるが、二所ノ関部屋は両国から遠く離れた茨城にあって、いわば陸の孤島。幕下が大量に抜けると、稽古相手にも苦労しないかが心配されます」

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