役場の対応にも疑問が残る

役場の対応にも疑問が残る

町が現地視察に訪れたのは半年後

 昨年12月に議会で議題にあがった当初、大台町はこの自然葬について「埋葬」にあたるのではないかと判断していた。そのため、黙雷和尚に対して、「墓埋法違反だ」との注意を行なったが、大台町の現在の担当課である税務住民課が現場を視察したのは半年以上経過した今年6月のことだった。そして、「埋葬ではなさそう」と、昨年の議会での発言から一気にトーンダウンした。

「骨を土に埋め込んでいる『埋葬』と思い込んでいましたが、現場に行き、見たら埋めてはいないようでした。散骨の場合は国のガイドラインに沿う形になりますので、今後は国や県と照会して判断する形となります」(大台町・税務住民課)

 埋めれば「埋葬」、撒けば「散骨」となる現状の法規制は曖昧な部分も多い。自然葬を巡っては以前から業者と近隣住民でトラブルが起きている。2005年には北海道長沼町では散骨禁止条例が可決されるなど、条例によって散骨を禁止する自治体も出ている。しかし近年では従来の葬送にとらわれない自然葬への関心も高く、近年では「知の巨人」とも称されたジャーナリストの立花隆さん(享年80)が2021年の死後、樹木葬で葬られている。

 核家族化や檀家の減少なども相まって、遠方にある先祖代々の墓を守れないという理由から「墓じまい」が進み、自然に還るという考え方が現代の価値観とも通じる。厚生労働省が昨年公表した「令和4年度衛生行政報告例」によれば、全国の改葬(墓の移転)件数は昨年に過去最高の15万1076件となっており、大台町の自然葬でも「墓じまい」をして移ってきたものも多いという。

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン