国内

小泉進次郎氏、父・純一郎氏の“負の遺産”「100年安心」を謳った年金大改悪をさらに進めるのか? 日本社会の格差がさらに広がるとの指摘も

父・純一郎氏の首相時代の“負の遺産”は「100年安心」を謳った年金大改悪(時事通信フォト)

父・純一郎氏の首相時代の“負の遺産”は「100年安心」を謳った年金大改悪(時事通信フォト)

 自民党の総裁選に勝利すれば「史上最年少総理」となる小泉進次郎・元環境相(43)。若さと“改革の旗手”のイメージを前面に押し出しているが、改めて過去の主張を総点検し、その人脈を洗い直していくと、世間へのアピールとは正反対の実像が浮かび上がってきた。【前後編の後編。前編から読む

すっかり財務官僚に取り込まれてしまった進次郎氏

 進次郎氏はかつて年金について【1】年金80歳受給開始、【2】富裕層は年金返上、【3】年金保険料は生涯支払う、【4】非正規社員からも厚生年金保険料を取る、の4つを柱とする年金改革を提唱。そして総裁選の出馬会見ではさらに、「年収の壁を撤廃。働いている方には原則厚生年金が適用されるように制度を見直す」とぶち上げた。低収入のパートなど第3号被保険者や非正規社員からも厚生年金保険料を取るという。国民からすればまさに「年金大改悪」だ

 こうした進次郎氏の年金、社会保障改革には“仕掛け人”がいる。その1人が元財務官僚の村井英樹・官房副長官。

 進次郎氏は安倍政権時代の2016年に党内で「2020年以降の経済財政構想小委員会」(通称「小泉小委員会」)を立ち上げて年金など社会保障改革案をまとめて以来、自民党の「人生100年時代の制度設計特命委員会」事務局長、厚生労働部会長などを歴任。「人生100年型年金」「勤労者皆保険制度」「こども保険」の創設などを提唱してきた。

 村井氏は小泉小委員会では事務局長、「人生100年時代の制度設計特命委員会」でも進次郎事務局長の下で事務局長代理を務め、人生100年型年金をはじめとする進次郎氏の社会保障改革案をまとめてきた人物だ。

 安倍内閣の内閣官房参与を務めた藤井聡・京都大学教授が指摘する。

「年収の壁撤廃をはじめ進次郎氏の年金改革案は自分で思いついたものではない。国民からカネを吸い上げたい財務省が長年温めてきた内容です。財務省と厚労省は、年金制度の保険料収入を増やし、年金給付を減らす取り組みを進めている。国民の反発が強いから、人気が高い進次郎氏の名前で提案させたわけです」

 現在、進次郎氏の政策ブレーンとしては、「後見人である菅義偉・前総理の首相秘書官を務めた大沢元一・財務省主計局総務課長が“家庭教師役”となって政策を指南している」(財務省関係者)と言われる。「アンコントローラブルで何をやるかわからない」と見られていた進次郎氏も、すっかり財務官僚に取り込まれてしまったようだ。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン