今年9月上旬、京都大学のキャンパス内で取材に応じてくれた細山さん
起業に込められた「思い」
客員起業家はもちろん、誰でも、どんな事業を企図している人でもなれるわけではなく、未来志向で革新的な事業の起業を目指す人が選ばれる。細山さんはこれまでの学歴やキャリア、そして将来のビジョンがあってこそ選ばれたのだろう。
「『京都iCAP』の方からは、自分で言うのはお恥ずかしいですが、頭の回転の速さと動物を救う事業への思いの強さを見込んで、僕を選んでくださった、と聞いています。会社はもう4月に起ち上げています。『VetsBrain(ベッツ・ブレイン=獣医師+脳という意味)』という獣医療のスタートアップです」
細山さんの話をまとめると、現在の「VetsBrain」の事業は、今のところ大きく分けて2つ。臨床獣医師・飼い主向けの診療サポートシステムを提供する「VetsBridge(ベッツ・ブリッジ)」と、動物業界特化型エキスパートマッチングプラットフォームを提供する「Virtual Vets Lab(バーチャル・ベッツ・ラボ)」。「VetsBridge」は獣医師から飼い主への診療説明をスムーズにするITサービスで、「Virtual Vets Lab」は動物業界の企業や、他業種から動物業界へ進出を検討する企業にコンサルティングなどを行う。
なぜ、細山さんはこの分野で起業したのか。