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土井たか子氏は社会党委員長や社民党党首、衆院議長などを務めた(時事通信フォト)

●冗談っぽく本音を表現できる3つの言葉

【くれない族】(1984年「流行語部門・銀賞」)

【亭主元気で留守がいい】(1986年「流行語部門・銅賞」)

【やるしかない】(1986年「特別賞の特別部門・特別賞」)

「くれない族」は、すぐに「~してくれない」と言いがちな人のこと。若い部下の指示待ちっぷりを嘆くときに「あいつら本当に『くれない族』だよな」と言えば、同年代は深く共感してくれるでしょう。「亭主元気で~」は「女房元気で~」とアレンジすることで、活用の幅が広がりそうです。「やるしかない」は、社会党の新委員長になった土井たか子の言葉。何かに挑戦する場面で「やるっきゃない!」と言って強い決意を表現しましょう。

●同年代を確実にニヤリとさせられる3つの言葉

【「まるきん、まるび」(1984年「流行語部門・金賞」)

【私はコレで会社をやめました】(1985年「流行語部門・大衆賞」)

【今宵はここまでに(いたしとうござりまする)】「1988年「流行語部門・金賞」」

 お酒の誘いを断わるときに「今月は『まるび』だからさー」と断わったり、チャーシュー麵を頼んだ同僚を「おっ、『まるきん』は違うね」と冷やかしたりすれば、お互いに少し楽しい気持ちになれます。離婚のいきさつを聞かれて「私はコレで結婚をやめました」と小指を立てながら言ってみるのもオツなもの。飲んでいて先に帰るときには、若尾文子っぽく「今宵はここまでに~」と言ってみましょう。同年代同士の絆が深まりそうです。

 昭和の頃の「新語・流行語」を振り返ることで、言葉の持つ幅広いパワーやしぶとい生命力を感じることができました。今年の年間大賞やトップテンは12月2日に発表されるとか。ただ、どんな言葉が選ばれたとしても、昭和人間がそっちを積極的に使うのは危険。どこか痛々しい感じになりそうです。新しいほうが使いづらいところに、言葉の不思議さや「新語・流行語」というものの微妙さを感じずにはいられません。

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