国際情報

2024年7~9月期にロシアを訪問した北朝鮮国籍者は5263人と急増 70%が「学術研究」の名目で入国 北朝鮮兵のロシア派遣と関係か

本当に「学術目的」の入国なのか(朝鮮通信=時事)

本当に「学術目的」の入国なのか(朝鮮通信=時事)

 ロシア連邦統計局が発表したところによると、今年の第3四半期(7~9月)にロシアを訪問した北朝鮮国籍者は5263人で、そのうちの70%以上を占める3765人が「学術研究」の名目でロシアに入国していたことが明らかになった。第3四半期における北朝鮮国籍者の「学術目的」の入国者数としては、2010年以来最多となった。

 ちなみに昨年第3四半期の北朝鮮国籍者のロシア入国者数はわずか365人だったのに比べると、今年は10倍以上になっており、このところ明らかになっている北朝鮮軍兵士のロシア派遣と関係があるとの見方も出ている。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 今年第1四半期と第2四半期の「学術研究」目的のロシア入国者数は、それぞれ38人と332人だった。それ以前では、昨年の第3四半期が62人。2020年から2022年までの3年間は新型コロナウイルスの流行による国境閉鎖という特殊事情もあって、ゼロだった。2019年の第3四半期は906人だった。

 それに比べて、「3765人」という今年第3四半期の学術研究目的のロシア入国者数は極めて多い。

 北朝鮮はこれまで、ロシアに出稼ぎ目的で人員を派遣しているが、その際には、労働目的でなく「学術研究」目的と偽って派遣するケースが多いことで知られている。このため、今回の場合も、労働者が「学術目的」という名目で派遣されているとの見方もでている。

 RFAの調べでは、ロシアはウクライナと戦争中ということもあり、ロシア国内で北朝鮮労働者をみかけることはほとんどないという。

 このようななか、朝鮮人民軍兵士が最近、ロシアに派遣されていることが確認されていることから、すでに今年第3四半期には一部の北朝鮮軍兵士が「学術研究」という名目で、ロシアに派遣されているという観測が急浮上している。

 ちなみに、ロシアに派遣されている北朝鮮軍兵士が、正式にはどのような手続きでロシアに入国しているのかは不明だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
『サ道』作者・タナカカツキ氏が語る「日本のサウナ60年」と「ブームの変遷」とは
《「ととのった〜!」誕生秘話》『サ道』作者・タナカカツキ氏が語る「日本のサウナ60年」と「ブームの変遷」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン