スポーツ

蛯名正義氏、馬券の種類が増えても「僕らは買い方すら知りません」 ジョッキーと調教師は「いつも勝つつもりでレースに臨みます」

「馬券はファンのもの」と語る蛯名正義氏

「馬券はファンのもの」と語る蛯名正義氏

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、馬券の種類についてお届けする。

 * * *
 早いもので今週末はもう有馬記念。競馬ファンにとってはワクワクドキドキの1週間でしょう。これはメディアの人から聞いたのですが、2001年に僕がマンハッタンカフェで勝った時の枠連(2万680円)と馬連(4万8650円)はいまでも有馬の最高払戻額だそうです。もっともこれは2着のアメリカンボスが人気薄だったからですが、2007年にマツリダゴッホで勝った時の馬単(6万9020円)も有馬記念史上第1位だそうですよ。終わりよければすべてよしではないけれど、みなさん馬券を買って大いに夢を見てください。

 僕がジョッキーになった頃、馬券は単勝・複勝と枠連しかありませんでした。それだと同枠の馬が取り消した時に不都合が生じますよね。なので圧倒的な人気になると予想される馬がいる時は、1つの枠に1頭だけしかはいらない単枠指定というのがありました。人気が集中しそうだなと思われる馬を指定していたわけです。

 まだ若手だったのでそれほどの人気馬に乗る機会はありませんでしたが、2年目にインターナショナルジョッキーズという、いまでいう2勝クラスの外国人騎手招待レースがありました。騎乗馬を抽選で決めるのですが、僕が引き当てた馬が単枠指定になったことがありました。前走も同クラスだったし重賞でも上位に来ていたからでしょう。その通りレースはほとんど馬なりで勝ちましたね。

〈馬連が地域・レース限定でスタートしたのは1991年、1999年にワイド、2002年に馬単と三連複、2004年に三連単が発売されるようになる。〉

 そもそも馬券はファンのもの。ジョッキーはもちろん調教師や厩舎スタッフもJRAの馬券は買えないので、システムや買い方もよくわかっていません。馬券の種類が増えていった過程は、調教師試験を受ける時には覚えたけれど、ジョッキーだった時には関係ないし、開業した今も関係ない。僕らがやることは同じですからね。ジョッキーと調教師はいつも勝つつもりでレースに臨みます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン