大塚駅前のシンボルだった大塚バッティングセンター跡地。マンションが建つと見られる

大塚駅前のシンボルだった「大塚バッティングセンター」跡地。マンションが建つと見られる

閉店ニュースが続く『バッティングセンター』

 かつては街中や郊外でよく見かけたバッティングセンターだが、昨年ごろから閉店のニュースが目につくようになった。野球人口の減少や娯楽の多様化、施設の老朽化や後継者不在が閉店の要因と言われており、光熱費をはじめとする物価高騰が追い討ちとなった。都内だけでも大塚のほかに荻窪、立川、武蔵村山での閉店が相次ぎ、「大塚バッティングセンター」の跡地を訪れると、マンション建設の予定が書かれた計画標識が掲げられていた。

 コロナ禍や物価高騰のあおりを受けてもなお、40年以上ほとんど変わらぬ営業形態を続けてきた『新宿バッティングセンター』だが、これまで閉店の話はなかったのか。店舗責任者で、同店の運営に15年以上携わる村山拓氏は即答した。

「聞いたことがありません。コロナの時は、街自体に来る人が少なくなり、緊急事態宣言の際には1か月ほど休んだ時期もありましたが、その時も閉店の話は話題にあがらなかったですね」

『新宿バッティングセンター』が営業を続ける理由の一つに「新宿」という立地がある。同店を運営するのは『新宿メトログループ』。新宿の名を冠した企業だ。バッティングセンターのほか雀荘『麻雀メトロ』などのアミューズメント施設運営事業、喫茶店『珈琲西武』などの飲食事業や、不動産事業を新宿周辺で展開している。

 同企業の創業は戦後間もない1945年。空襲で焼け野原となった新宿だったが、高度経済成長期を経て世界でも有数の歓楽街へと姿を変えていく。プロ野球のセ・リーグ観客数が年間約1000万人を記録し野球人気が高まった1978年、自社の土地にバッティングセンターを誕生させた。

「街の歩みとともに会社も成長してきました。新宿を面白くするという会社の理念から、アミューズメント施設の提供ということで始めたようです」(村山氏)

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