ビジネス

《クリスマス・イヴ翌日も…》プレゼント購入されたペットを「返品」する人たち 「彼女と別れたから」「サプライズプレゼントが気に入らないと言われた」

小型の犬種は人気だが……(写真提供/イメージマート)

小型の犬種は人気だが……(写真提供/イメージマート)

 クリスマスから年末、年始は人々のあいだをプレゼントが飛び交う季節だ。浮き立つ気分にあわせるかのように、ありとあらゆるものが「クリスマスセール」「年末バーゲン」「新年福袋」などの名目で売り出される。その雰囲気につられてなのか、必要ではないものも買いがちだ。それが電化製品などならリサイクルしやすいが、犬や猫などの生き物となると、話は別だ。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、子犬の返品に悩まされる小規模ペットショップから見える現実についてレポートする。

 * * *
「今年も『彼女が気に入らないって言うから返す』って子が戻ってきました」

 関東の個人経営のペットショップ。店主の連絡を受けて繁華街にほど近い店を訪れるとポメラニアン(以下、ポメ)が一匹、ショーケースの中でスヤスヤと眠っていた。

 今日は12月24日、クリスマス・イヴ。去年もそうだった。今年もそうだ。プレゼントに犬や猫を贈って「いらない」で返しに来る人がいることを。

「めったにいないです。でもそういう人がいるのは事実です。去年はキャバクラの女の子がティーカッププードル(以下、プー)を欲しがっているからと男性が買って『返品』と言って来ました」

 幸いにしてその子は別の客にお迎えしてもらったが「クリスマスのプレゼントに!」「クリスマス大セール!」あるいは「新春セール!」「お年玉でワンちゃんネコちゃん!」と称して子犬や子猫を売るペットショップは当たり前に存在する。

 それが商売、と言ってしまえばそれまでだが、きっかけがイベントなので「命をあずかる」という意識のまったくない人が買ってしまうととんでもないことになる。ましてプレゼント、彼女が気に入るかもわからないのに。

「『サプライズだったのに』と言ってました。そういう人がいるんです。世の中とんでもない事件とかありえない騒動を起こす人っていますけど、お迎えした子犬や子猫をいらないと返して来る人もそういうとんでもない、ありえない人です」

「大切にします」と言われるとどうにもできない

 大手ペットショップチェーンなどは契約書でガッツリ縛り、よほどの瑕疵(命にこういう書き方は本当にしたくないのだが現実)がない限りは「返品」できない。

 しかし、小規模な店舗やブリーダーなどは表沙汰にはしないが受け入れていると話す。この店もそうだ。

「拒否したらこの子がどうなるかわからないですからね。うちだってお店にお迎えしたんです。この子がどうなってしまうかを考えたら受け入れるしかありません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン