国内

《兵庫県知事騒動で新たな“被害者”》元兵庫県議・竹内英明氏が死去、辞職後も続いた誹謗中傷 脅迫電話におびえ、「怖くて家から出られない」と漏らしていた

1月18日に亡くなった竹内さん(左)と斉藤知事(右・時事通信フォト)

1月18日に亡くなった竹内さん(左)と斉藤知事(右・時事通信フォト)

「いまからお前の家に行くから、覚悟しいや……」。見知らぬ番号からかかってきた電話で突然そう告げられたら、ほとんどの人は恐怖を感じるだろう。それが、最悪の事態を招いた。1月18日、竹内英明・元兵庫県議会議員(享年50)が、兵庫県内の自宅で自ら命を絶った。

 竹内さんは昨年、齋藤元彦兵庫県知事(47才)がパワハラの疑いなどで告発された問題を調査する「百条委員会」の委員だった。一連の騒動では、告発文書を作成した元県民局長が昨年7月に死去。その約3か月前には、告発文で公費の違法支出などを指摘された、2023年11月開催の阪神・オリックス優勝パレードを担当した県民生活部総務課の課長が亡くなった。いずれも自殺とみられている。“新たな被害者”となった竹内さんは、独自の人脈で告発内容を裏付ける材料を入手するなど、調査をけん引する立場だった。

「風向きが変わったのは、齋藤氏が失職を選んで昨年11月の県知事選挙に出馬してから。“齋藤さんを応援する”として県知事選に出馬した『NHKから国民を守る党』党首の立花孝志氏(57才)が、演説やSNSで“齋藤知事はハメめられた”との主張を繰り返し、告発文書の作成には竹内さんが関与していたと訴えました。同時に、竹内さんへの誹謗中傷が始まった」(竹内さんの事務所関係者)

 竹内さんは齋藤知事が再選を果たした翌日の11月18日に県議を辞職した。

「表向きの理由は『一身上の都合』とされましたが、SNS上に竹内さんに対するデマや悪意ある書き込みがあふれ、家族が精神的に不調をきたしてしまったそうです。特に奥さんからは、“もう政治の道からは退いてほしい”と懇願されたといいます。“みんなに迷惑をかけた”と、消え入るような声で謝罪の言葉を口にしていました」(前出・事務所関係者)

黒い服を着た男が家の周りをウロウロ

 ところが、辞職しても過剰な誹謗中傷はおさまらなかった。竹内さんの自宅近隣住民が明かす。

「竹内さんには、2人のお子さんがいます。以前はよく、自宅の前で一緒に遊んでいるのを見かけたんですが、騒動以降は姿すら見なくなりました。近くに暮らす親族も外に出られなくなってしまったようです。“黒い服を着た男が家の周りをウロウロしていて、怖くて家から出られない”と話していました」

 冒頭のような電話や無言電話が増え、着信にもおびえるようになった。自身に関する情報をシャットアウトするため、スマホの電源を切ることも多くなったという。

「それでも、ごく一部の信頼していた人から“あの噂は本当なのか?”と確認されることで、自身にまつわるウソが嫌でも耳に入ってしまう。相当苦しめられていて、最近は精神科にも通っていたようです」(前出・事務所関係者)

 竹内さんの死が報じられると、今度は「警察の事情聴取を受けていて、逮捕される予定だった」「逮捕が怖くて命を絶った」との情報がSNS上に広まった。これを兵庫県警は「まったくの事実無根」と公に否定し、「明白な虚偽がSNSで拡散されるのは極めて遺憾」と強調。自身のSNSで同様の情報をアップしていた立花氏は、投稿内容を訂正して謝罪した。だが、デマだったことが明らかになって以降も、インターネット上には《人生からも逃げた》といった心ない書き込みがなされている。彼らの悪意は、いつまで続くのか。

女性セブン202526日号

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン