芸能

玉袋筋太郎、妻に逃げられたことを告白 LINEはブロックされても「アナログ」でつながる不思議な関係

妻には「感謝しかない」という

妻には「感謝しかない」という

 円満な夫婦関係を維持させるのは難しい。長年連れ添った夫婦であればなおさらだ。幾度の危機を乗り越えて、より強い信頼関係や安心感が育まれていくこともあれば、次第に関係の修復が難しくなるケースもある。

「オレはカミさんに甘え過ぎてしまっていたんだね」。そう告白するのは30年ともに過ごした妻に出て行かれたという、お笑いコンビ・浅草キッドの玉袋筋太郎(57歳)だ。妻に愛想を尽かされても、その関係は完全に切れたわけではないという。

 50代半ばを過ぎた玉袋が「美しく枯れる」生き方をテーマに、右往左往しながらも前に進もうと懸命にもがく心境を綴った『美しく枯れる。』(KADOKAWA)より、玉袋と妻との不思議な関係をお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第3回。第2回を読む】

 * * *
 ある朝、目覚めたら、犬と鳥とカミさんがいなくなっていた──。

 まるで不条理小説のような書き出しではじめてしまったわけだけど、これは本当にオレの身に起こった「不条理」なんだ。いや、自作自演の三文芝居といったほうがいいかな。

 これはまだ、どこでも話していないプライベートなことなのだけど、せっかくオレなんかの本を読んでくれている読者のみなさんに対して、ずっと隠し続けることは心苦しかったので、いまこの場ではじめて告白させてもらうことにした。

 オレは、カミさんに愛想を尽かされて逃げられた。

 この本のテーマである、「美しい枯れ方」にも通じる出来事だから、こうして恥も外聞もなく、正直な思いを語らせてもらうことにするよ。

 オレがいま経験していることは、必ずみなさんの役に立つと思う。もちろん、反面教師としてね。絶対に、オレみたいになっちゃいけない。オレの姿を見て、我が身を振り返ってほしい。

 そりゃあさ、カミさんが出ていった理由はいろいろあるよ。

 ただ、ひとつだけいえるのは、オレはカミさんに甘え過ぎてしまっていたんだね。

 ちょうど芸人として勢いが出てきた20代の頃に知り合ったもんだから、家庭よりも仕事中心の生活をずっと続けてきた。付き合いも多いし、みなさんもご承知のように、オレは酒が大好きで、いつもベロベロに酔っ払っていた。それはいまでも変わっていないのだけどさ。

 オレなりに、カミさんも息子も大切にして、精一杯の愛情を注いできたつもりだったけれど、やっぱり、世間がいう「いいお父さん」には遠かったよな。

 要するに、これまでずっと好き勝手に生きてきたオレに対して、カミさんの堪忍袋の緒が切れてしまったんだよな。

 マグマが爆発する前に、たくさんの予兆はあったはずだよ。けれども、そんなことになにも気づかずに、オレは自由気ままな生活を続けてしまった。

 そりゃあ、怒るって。

「仏の顔も三度まで」というけれど、「三度」どころじゃないもの。原因はすべてオレにある。ただただ、「自業自得」という言葉しか浮かばないよ。

 これまでオレが、何度もカミさんにいっていた台詞がある。

「オレが最後まで面倒を見るから心配するな」

 その台詞の裏側にあったのは、「だから多少の遊びには目をつむってくれよ」という傲慢な思いだったのかもしれない。都はるみと岡千秋の『浪花恋しぐれ』って歌があるじゃない。まるで、その歌詞の一節だよ。

 東京・新宿生まれ新宿育ちの生粋の東京人なのに、ついつい浪花の芸人の生き様と自分を重ね合わせて粋がっていた。

 でも、こうしていざ目の前から姿を消されてしまうと、一気に現実に引き戻されたような気がした。まるで、フェデリコ・フェリーニの『道』(1954年作品)の世界だよな。ジェルソミーナの死を知って砂浜で嗚咽しているザンパノこそ、まさにオレの姿だった。

 コロナ禍に世界中が揺れていたときのこと。緊急事態宣言が発出され、仕事もなくなり、ずっと家に引きこもっていた頃、オレはザンパノのようにただただ部屋で打ちひしがれていた。

 この頃、近所のスーパーでよく出くわす近所のおじさんに会ったときにいわれたよ。

「最近、奥さんの姿を見ないね?」

 内心では「ギクッ」としたよな。さすがにおじさんも、「ひょっとして、奥さんは床下に埋められているのかもしれない……」なんて邪推はしないと思うけれど、やっぱり見ている人は見ているものなんだよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン