スポーツ

【侍ジャパンで躍動】西武・今井達也、千葉ロッテ・種市篤暉の熱投を支える「凄腕トレーナー」直伝の「うで体」「あし体」鴻江理論

オランダ戦で力投する種市(3月6日、写真/時事通信フォト)

オランダ戦で力投する種市篤暉(3月6日、写真/時事通信フォト)

 第6回WBCを1年後に控えた3月5・6日に、野球日本代表「侍ジャパン」とオランダとの壮行試合が行われた。

 2試合ともに相手打線を完全に沈黙させ、零封した投手陣の中でも際立った投球を見せたのが、第1戦の4番手でマウンドに立った今井達也(26才、埼玉西武ライオンズ)と、第2戦の先発・種市篤暉(26才、千葉ロッテマリーンズ)の2人だ。

 今井は力感のないフォームから、自己最速に迫る158kmのストレートや得意のスライダーを武器に2イニングをノーヒット。対する種市も、投じた直球のほとんどが150km台中盤で、1人のランナーも出さずに2イニングをパーフェクトに抑えた。

「まだ開幕を迎えていない段階で、ここまで腕が振れて球速が出るのは調子がいい証拠。今井は開幕投手が決定しており、種市もシーズンを占う開幕戦という大役の最右翼にいる。この調子のまま1年間投げられれば、どちらも沢村賞級の成績を残すかもしれません。来年のWBCでも間違いなく主力になってくるでしょう」(スポーツ紙記者)

2人ともアスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏による指導を受けている

 2人は1998年生まれの同学年だ。オランダ戦前日となる3月4日の練習では、キャッチボールのペアを組んだ。だが、この2人にはさらに共通点がある。それは、アスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏による指導を受けていることだ。

 キャンプイン前の今年1月、鴻江氏が運営する「鴻江スポーツアカデミー」主宰の合宿が、福岡県内で行われた。かつては、千賀滉大(31才、ニューヨーク・メッツ)や今永昇太(31才、シカゴ・カブス)、菅野智之(35才、ボルチモア・オリオールズ)ら現メジャー選手も参加したこの合宿で、今井と種市は鴻江氏が独自に編み出した「鴻江理論」をもとに投球フォームを固めた。

 鴻江氏は、2006年の第1回、2009年の第2回WBCをはじめ、2021年東京五輪では女子ソフトボール代表チームに帯同した経験を持つ。20年以上にわたってアスリートと対峙して作り上げたのが、人の体を「うで体」と「あし体」の2タイプに分類する鴻江理論だ。

「簡単に言うと、うで体は猫背型。あし体は反り腰型です。

 よく、“体のバランスを整えよう”と言われたりしますが、私に言わせると、人は誰でも体の歪みを持っています。猫背か反り腰かという以外にも、具体的には、うで体は右肩が下がっており、右の腰が少し前に出ている。逆に、あし体は左肩が下がり、左腰が前に出ています。

 こういった歪みがあるのは普通のことで、決して悪いことではありません。大事なのは、自分がどちらのタイプか知り、タイプに合った体の動かし方をすることです」(鴻江氏)

 今井も種市も「あし体」に分類される

 鴻江理論によると、今井も種市も「あし体」に分類される。そのタイプに合わせた体の動かし方を覚え、トレーニングを積み、フォームを固めたことで、オランダ戦での熱投が実現したのだ。

 もちろん、人によって程度の違いはあるが、タイプによって運動時に気をつけるべきポイントがあり、合わない動かし方をしていると、アスリートはパフォーマンスが上がらないだけでなく、逆にケガや故障につながるリスクもある。

 そして、その考え方は、一般の人にも当てはまるのだという。鴻江が自身の考え方を一般化した書籍『一生歩ける喜び 「うで体・あし体」鴻江理論で人生が変わる』では、7つのチェックポイントを設けて自分がどちらのタイプかを見極めた上で、日常のさまざまなシーンをあげ、「何をすべきで、何をすべきでないか」をイラストを用いて平易に解説。また、タイプ別のおすすめストレッチを図解入りで詳細解説している。

関連記事

トピックス

「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン