芸能
「ザ・ぼんち現象」の秘密

「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」

漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ

漫才賞レース『THE SECOND』で躍動。 左からぼんちおさむ、里見まさと(c)フジテレビ

 結成16年以上のコンビのみによる漫才コンテスト『THE SECOND』(フジテレビ系)の決勝でも活躍、かつて漫才ブームを牽引し、一時代を築いたザ・ぼんちが今、当時の熱狂を彷彿とさせる漫才で観客を沸かせている。ノンフィクションライターの中村計氏が、その秘密に迫った。(文中敬称略)【前後編の前編】

 * * *
 不明、そして不明。

「※○☆◆♪▽◎〓!」

 言語不明瞭。なのに、笑いが起きる。

 ザ・ぼんちのネタは、まず何よりもボケ役のぼんちおさむが何を言っているのかわからない。何度か聞いているうちに耳が慣れてくるが、そこですべて氷解するわけではなく、むしろ謎は深まる。

 ネタ中、コンビの手綱を握る里見まさとが、おさむをこうたしなめるシーンがあった。

「気をつけなさい!」

 すると、ここからおさむの暴走が始まる。

「気をつけ! 小さな前ならえ!」

 突拍子もない返しに客が混乱する。おさむは、さらに畳みかける。

「誰だ! 大きな前ならえしてるの! あぶないな! 人に当たるやろ!」

 困惑はさらに大きくなるのだが、それに比例するように客の笑い声が増幅する。調子をよくしたおさむは、壊れたレコードプレーヤーのように同じフレーズを何度も繰り返す。客は客でタガが外れたかのように、苦しげに笑い転げている。

 意味不明。なのに、爆発的な笑いが起きる。そう、ザ・ぼんちの漫才は、二つの「不明」から成っていると言ってもいい。

 舵取り役のまさとはブレーキが利かなくなったおさむをしばらく放置し、タイミングを見計らって、こうストップをかける。

「おまえの世界がわからんわ」

 このツッコミが客の思いを代弁し、客席がまたどっと沸く。

 1980年から1982年までの3年間、漫才がエンタテインメントの頂点に君臨した時代がある。それが世に言う「漫才ブーム」だ。ブームを牽引した伝説のネタ番組『THE MANZAI』(フジテレビ系)は3か月に1度のペースで放映され、視聴率は関東では30%前後、関西では50%近い数字を記録した。

 そのど真ん中にいたのがザ・ぼんちだ。2人は漫才師として初めて武道館ライブを開催するなど、芸人が映画俳優や歌手と同じように芸能界のスターになりうることを証明したコンビでもある。

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