理不尽なクレームや返品対応でカスタマーハラスメントに遭うことが多い(写真提供/イメージマート)
「あと『怒りたいのかな』とも思います。怒る理由を探しているというか、相手を責める口実を無理やり作っているというか」
なるほどひどい。店員相手に限らずそういう人はいそうだ。相手が言い返せない、反撃できないからとキレて気分を晴らす。
子どもの前で大丈夫なの
コンビニスタッフいわく「百均は別の意味で地獄ですよ」とのことで、同じビルに入る百均=100円ショップ(実際は100円でなくなった店も多いが便宜上この名称を使う)の女性スタッフに閉店後、話を聞くことができた。
「多いのは返品対応と商品の理不尽なクレームですね。コンビニバイトの経験もありますが、百均のお客さんのほうが売り物に対して厳しいです」
不思議な話だし一概には言えないことは当然だが、なぜか単価の安いものほどクレーマーが多いことはマーケティングの定番ネタになっている。社会心理学的な面は措くが「貧乏人ほどやかましい」という口汚い言葉は残念ながらの現実である。
「もちろん不良品とか、こちらのミスはきちんと対応させていただいてますけど、一度使ったものを返したりとか『うちには合わなかったから』と開封済みのものを返してきたりは困ります」
筆者も都内のスーパーマーケット併設の衣料品店でそういう人を見た。40代とか50代くらいの女性で、梱包されて販売されている男性用のワイシャツを返品しに来たようで揉めていた。
その客、何やら捨て台詞を履いて去って行ったが対応した女性店員曰く「ああいうワイシャツを一度開けられては売ることができないの」と困っていた。当たり前の話である。旦那さんとか息子さんのワイシャツだろうか、困ったものである。
「そういうお客はいままでもいましたがとにかくキレるんです。急に怒り出す。うちの場合は女性が多いですね。お子さん連れや高齢女性が多い。とくにお子さん連れのママさんは本当に怖い人がいます。子どもの前で大丈夫なのって思ってしまいます」
それで土下座を要求したりSNSで晒すと脅してきたりとのことで、もはや強要や脅迫になりかねない。揉め始めるとスマホを掲げてあからさまに録画する客も。
「撮影禁止ですと言ってもまあ聞きませんね。私のシフトではありませんでしたが警察を呼んだこともありました。もちろん両成敗で話し合って終わりですけどね、それにもう理不尽なことはしないとはいえ、しれっとまた来ますし」