闘病中のアンナさんの世話をできる肉親はいない状況だった
5月29日放送「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演したアンナさんは、お母さんやお嬢さんに助けられたと話していましたが、よく話を聞いてみると、ちょっと心もとない部分があることも否めません。まず、お母さんのクラウディアさんは漢字の読み書きが苦手で、治療法などいまいち理解できていない部分があるそうです。お嬢さんはアメリカの大学に留学し、現地で就職していましたが、アンナさんのために仕事をやめて帰国してきたと話していました。お母さんは外国出身の方ですから、治療法を理解できなくても無理からぬことでしょう。お嬢さんの優しさ頼もしさには泣けますが、ずっと日本にいたのでは、せっかくアメリカで築いたキャリアが宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。アンナさんのお世話に終始してヤングケアラーのようになってしまうのは、アンナさんとて本意ではないことでしょう。
また、アンナさんの通院先が該当するかはわかりませんが、病院は手術の際の同意や保証人などを事実婚の相手ではなく法律婚の相手に求める傾向にあります。こうやって考えていくと、お母さんやお嬢さんではない誰かがそばにいて話し相手になったほうがいいと思いますし、そのためには法律婚が一番いい形なのではないかと思うのです。確かに10日間での決断ですから、今後、あれ、ちょっと違うなと言うことがお互い出てきたり、こんなはずじゃなかったと思うこともあるかもしれませんが、そのときはそのとき。あまり先のことばかり考えすぎると、幸せは逃げて行ってしまうと思います。
がん患者とパートナーと言えば、興味深いデータがあります。日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授・勝俣範之氏は、オンラインがん相談サービスCancer WITH内にて、患者の家族であっても治療のつらさを理解してくれるとは限らないこと、男性ががんになると女性は尽くすことが多いが、女性ががんになると離婚率が男性の6倍であると解説しています。妻が乳がんになると逃げてしまう夫もいる中で、アンナさんの病気を承知の上でプロポーズした世継さんは本当に得難い人だと思います。その一方で、家族が万能ではないことも頭の片隅に置いておいておき、アンナさんも、夫婦べったりにならないほうがいいのではないかと思うのです。
父が甲斐甲斐しく面倒をみる、昭和には珍しい家庭だった梅宮家
そもそも、アンナさんのお父さんとお母さんおよび育った家庭は、ちょっと風変わりと言えるのではないでしょうか。辰夫さんは妻のクラウディアさんに「何もしなくていいから、床の間に飾りたい」といってプロポーズし、スターでありながら、アンナさんのお弁当作りや学校行事などを率先してこなし、家族の食事も作っていたことをアンナさんがいろいろなバラエティ番組で明かしています。父親は外で仕事をし、母親が家事育児をするという役割分担が当然とされていた昭和の時代に、とても珍しいタイプのご家庭でした。