甲斐甲斐しく妻や娘の面倒を見ていた梅宮辰夫さん
アンナさんは、家庭にまつわることで、大バッシングされたことがあります。2016年2月9日放送の「白熱ライブ ビビット」(TBS系)に出演したアンナさんは、お嬢さんと別に暮らしていることを明かしました。思春期のお嬢さんと共にアンナさんが実家住まいをしていたとき、お嬢さんと喧嘩が絶えなかったことから、アンナさん1人が家を出て梅宮家に通うスタイルを取っていたそうで、それが育児放棄だと批判されたのです。実の母でありながら、家を出るなんて無責任だと見なされたのでしょうが、上述したとおり、梅宮家は昭和の標準家庭とはそもそも違うのです。辰夫さんがすべての司令塔もしくはお父さんとお母さんの一人二役、クラウディアさんが長女、アンナさんが次女、アンナさんの娘さんが三女の三姉妹のような関係だったのではないでしょうか。辰夫さんに全幅の信頼を寄せているからこそ、家を出られたのだと私は思いますが、昭和の標準タイプからは、アンナさんは妻や母にならない“永遠の娘”に見えるのかもしれません。
人の家庭観というのは、自分の育った家庭で養われるものであり、それが正しいとか間違っているとか、他人がジャッジするものではないでしょう。ですから、アンナさんには無理に自分を妻という形に押し込めないでほしいと私は思います。結婚したからと言って必ずしも一緒に住まなくていいと思いますし、妻だからといって、夫の世話をまめまめしく焼く必要もないと思うのです。変に昭和のホームドラマを真似ることなく、「パパはこうしてくれたのに」と夫と辰夫さんを比べないことが長続きの秘訣のように思います。
生前の辰夫さんはアンナさんの結婚を望んでいましたから、今回のことを天国で喜ばれているのではないでしょうか。アンナさんの末永い幸せをお祈りしたいと思います。
◇仁科友里/フリーライター。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)。