1996年の秋季キャンプ(撮影/山崎力夫)
●1988年/前年は4年目の王監督がリーグ優勝。ミスターの長男・一茂がヤクルト入り
王:親父さんとしては(一茂が)楽しみだよね。ウチとしては怖いけど。
長嶋:いや楽しみよりも、親父としてはやっぱり不安ですよ。うちの家内なんか「あなたで心配して、今度は息子の代まで心配しないといけないなんて」とぼやいていますよ。夫で冷や冷やし、息子で冷や冷やする。これ実感だと思いますよ。
金田:一茂のスターの素質は親父の血を継いでると言われているけど、親父よりはるかにマスクはいいからね(笑い)。
長嶋:マスクは親父だって負けていませんよ。でも野球はマスクより技術なの。
金田:いやマスクも大切だよ。
長嶋:何言ってんの! タレントじゃないんだから(笑い)。
金田:あれだけのスター性のある一茂をなんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!
王:う~ん、そりゃうちだって欲しかったけど、巨人は江川(卓)も辞めたことだし、投手優先という方針がありましたからねェ。
(中略)
金田:四つんばいでハイハイしていた一茂が今はねェ。女の子にもモテるだろうな。うらやましいのォ。
長嶋:知りませんよ(笑い)。
※週刊ポスト2025年6月20日号