参院選の公約を発表する自民党の小野寺五典政調会長。「すべての国民の皆さんに一律2万円を給付」(時事通信フォト)
これ、決して言い過ぎではない。これそのままでしかないのだから。
石破首相、これより前の会見でこうも言った。
〈来たるべき参議院の公約に盛り込むよう、検討するように指示をいたしたところでございます〉(※6月18日会見)
公約が民草に対する現金2万円の施し、それで勝てると思われている。
「はは……そうか…私…あの人にも心の底からナメられてるんだ……」 (※『カバチタレ』12巻より)
法律と社会、人間という生き物のリアリズムを描いた傑作漫画『カバチタレ』(講談社、青木雄二監修,田島隆原作,東風孝広漫画)で労基違反を繰り返すパート先のブラック企業経営者や女遊びで借金まみれの無職DV夫(途中離婚して元夫)に苦しめられ、耐え続けた女性がそれに気づく瞬間ではないが、心の底からナメられているのである。
当の石破首相、4月の国会でこうも言っていた。
「これはカギ括弧をつけますが「選挙目当てのバラマキ」というようなことを政府として考えているものではございません」(※第217回国会、衆議院予算委員会、4月14日)
すごい、嘘つきだ。でなければ「選挙目当てのバラマキ」と思っていないということか、というか6月11日の党首討論でも石破首相は〈政府といたしまして、いまご指摘になりました給付金について、現在検討しておるという事実はございません〉と言い切っている。
バラマキではない、ではなぜ参院選の選挙公約に盛り込むのか。選挙と関係なくそれこそ〈本当に困っておられる方々に重点を置いた給付金〉と言うなら、これまでにいくらでも実施する期間はあったはずだ。