アンネの日記が考え方が大きく変わるきっかけに
「いいえ、期待外れでした(笑)。大学では教えてくれない、というかあんまり分かっていないのではないか、と授業に出ているときに思ってしまいました。お金が絡んでいるとか、『そりゃそうだろう!』というような表層的なことしか学べていないと思ったんです。それこそ『中核派』と出会って、戦争が起こる根本的な理由を大学以上に学べました。大学に行っている意味はないなと思い、中退しました」
──中核派にはどのようにして出会ったのでしょうか。
「2023年の冬のことでした。成田闘争(成田空港の存続に反対する運動)のニュースをたまたま見て、初めて存在をはっきりと知ったんです。『全学連』という組織を知りました。そこで見たデモ隊の中に、自分と同じ世代の若い人がいたことが印象的でした。
それもあって、中核派の精神的な支柱であるマルクスが書いた『共産党宣言』をしっかりと読んでみたんです。そこには私がこれまで感じていた、不条理や差別の仕組みが根本からしっかりと説明されていたんです」
──ニノミヤさん自身が悩んできたことの解決のヒントを得たということでしょうか。
「『共産党宣言』には、私が苦しんできた社会、すなわち資本主義社会がどのようなものか、ということが書かれていました。私を含む若い女性に対する『差別』が起こる仕組みというか理由は、私有財産制にあるんです。私有財産制が始まる前の世界では、男性による女性の抑圧、差別はなかった。
でも、生産力の増大にともなって私有財産制が生まれてから階級的な支配というか、一部の家族が他の家族を支配する構図が生まれてきた。個々の家庭内でもそういう支配が生まれました。家庭内で女性が子供を産むための道具にまで地位が落とされていった。女性差別の根本には私有財産制があるんです」
──障害者に対する差別についてはどのように理解したのですか。
「障害をもっているだけで社会から差別される。これは生産力にならないからということに起因していると思います。資本主義社会では、お金にならないものは切り捨てられる。そして戦争へと突き進む帝国主義が蔓延(はびこ)ることによって、それが加速します。
私のようなセクシャルマイノリティに対する差別もそうです。子供を産まない女性に対する批判が資本主義、帝国主義、戦争で極限化しています。こういった差別を無くすには、帝国主義そのものを『共産主義革命』で粉砕するしかありません。『共産党宣言』から私が学んだのはこのようなことです」
──実際に中核派にはどのように接触したのですか。