2023年の冬だった

中核派に出会ったのは2023年の冬だった

「『共産党宣言』は、ひとりで読むだけでは理解が難しい部分もあります。なので、2024年の5月に矢嶋(尋)さん(編注:『全学連』の現委員長)に連絡して、勉強会に参加しました。ひとりで学習しているだけだと今の日本社会とどうつながっているかわかりにくかったのですが、学習会では私自身の問題として、セクシャルマイノリティであることと絡めて、説明してくれた。今の世界の状況とかも分かりやすく説明してもらい、よく理解ができました」

──社会に対するニノミヤさんが抱えている不満は、多くの人も抱えています。しかしその中から「中核派」に入る人は非常に少ないと思います。政治に関心を持つ若者が増えている中、 なぜニノミヤさんがたどり着いた先が 自民党や立憲民主党ではなく、「中核派」だったのでしょうか。日本共産党もありますね。

「既存の国政政党はどこも資本主義に屈服しているんです。自民党は論外ですし、共産党は資本主義下でちょっとした政策というか見せかけの平等社会を作ろうとしている。例えば共産党は、自民党とは違い同性婚には賛成ではあります。もちろん同性婚ができるようになれば、私は嬉しいです。

 でも結婚できるようになったところで、差別の根本がなくなるわけではありません。資本主義や私有財産制が存在する限り、差別自体はなくならない。私は差別自体を無くしたいんです」

 女性、性的少数者、障害のある人……『共産党宣言』の勉強会ですべての差別の根本が資本主義社会にあると考えたニノミヤさん。中核派の活動として、生活の生業としているのは少し特殊な業種だった。

第4回に続く第1回から読む

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