中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した(左・共同通信)
「何度も整形をして少しキレイになっても、上もいるし終わりもないし、お金もかかる。キレイだと得をするな、と思ってやっていたのですが、その得って何だろうと考えたときに、『お金』だなって思ったんです。
それこそ“玉の輿”という言葉があるように、資本家男性と結婚することが幸せだと思いこまされているのではないでしょうか。でもそれは資本家男性に資本で支配されているということです。パパ活だってそうです。キレイになることってブルジョワの思うつぼなんです。整形なんてやる意味がなかった。むしろ搾取されていた。女性を商品化することで過剰なルッキズムが蔓延(はびこ)っているのが今の社会です」
こう話すのは、極左暴力集団として公安の監視対象となっている過激派集団「中核派」のメンバーとして活動しているニノミヤさん(21)だ。ニノミヤさんは、中高一貫のお嬢様学校に在籍していた高校1年生のときに、ネットゲームで知り合った男性によるレイプ被害に遭い、“不純異性交遊”として停学処分になった経験を持つ。
理不尽だと思いながら、そのことについて直接、学校側に意見できなかったニノミヤさんは、ネット上でその不満を述べると、「学校の品格を落とした」と自主退学を求められたという。彼女はこうした出来事を経て、なぜ極左暴力集団に入ったのか。その半生についてインタビューした。【全4回の3回。第1回から読む】
──ニノミヤさんがご自身のことも含め、障害のある人や女性、性的少数者といった社会的弱者が虐げられている現状に理不尽な思いを持ち続けてきたことはよく分かりました。通信制の高校を卒業後、大学ではどのようなことを学ぼうと思って進学したのですか。
「まだ自分のことや自分の周りにしか関心がなかった小学校の2、3年生のときに、アンネの日記を読んで、とても印象に残ったんです。なぜ同じ人間なのに、こんなにもむごいことができるんだろうという疑問から、私の考え方は大きく変わった気がします。
それ以来、ホロコーストなど悲惨な歴史に興味があった。大学に入るときは、将来の目標があるわけではなかったのですが、歴史や国際政治などを学ぶ学科を選びました。戦争がなんで起こるのか知りたかったんです」
──なんで起こるのか分かりましたか。