二代目花井半二郎を演じた渡辺謙(Getty Images)

二代目花井半二郎を演じた渡辺謙(Getty Images)

襲名披露の場で昏睡

 映画には、俊介の父である二代目花井半二郎(渡辺謙)が自らの襲名披露公演で吐血する衝撃的なシーンがある。

 舞台上ではないが、襲名直前に倒れたのが九代目中村福助(64)だ。

「2013年9月、女形の大名跡である中村歌右衛門を福助が七代目として襲名することが明らかになったが、直後の公演期間中、帰宅途中に脳出血で倒れ、舞台を途中降板しました。2018年に復帰した福助は失語症と右半身まひを抱えながら現在も舞台に立っていますが、歌右衛門襲名は延期されたままです」(前出・舞台関係者)

19億円の借金を引き継いだ十三代目市川團十郎

 半二郎は莫大な借金を残して逝去し、名跡を継いだ喜久雄は後ろ盾を失った状態で困窮する。歌舞伎界では十三代目市川團十郎が先代の莫大な借金を肩代わりした。

「團十郎の母・希実子さんの父の事業がバブル崩壊で破綻し、連帯保証人だった先代は19億円ともいわれる借金を背負った。松竹が先代の自宅の土地と建物を担保に借金を肩代わりしたが、先代の死後、残った負債は團十郎が背負いました」(同前)

『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶは七代目尾上菊五郎の長女。実子が歌舞伎役者をしており、「(役柄が)今の自分にダブる」「この作品が新しい風を吹き込むことになればいいな」と語った。

 スクリーンと地続きである梨園の世界を知れば、より楽しめるはずだ。

※週刊ポスト2025年8月1日号

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