神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月撮影:小川裕夫)
国会議員選挙が終わると、初めて国会が開かれる日に「初登院」の様子が大きく報じられる。午前8時に国会議事堂の正門が開かれると同時に、初めて当選した議員や、再選した議員が門をくぐり、普段は閉じられている国会の中央玄関から中へ入ってゆく。選挙のときの熱狂は、この初登院にどのような影響を及ぼすのか。選挙の取材を長年、続けるライターの小川裕夫氏が、近年では珍しいほどの激しい応酬が目立った参院選後の初登院日についてレポートする。
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2025年7月20日に投開票された第27回参議院議員選挙の投開票から10日以上が経過した8月1日、臨時国会が召集されて初登院日を迎えた。筆者は15年以上前から衆院選・参院選の初登院日に正門前に足を運んで取材を続けてきた。
初登院日は当選した議員、特に一期生にとって輝かしい議員生活を踏み出す第一歩でもある。正門前は晴れやかなムードに包まれ、普段は報道陣を毛嫌いする議員たちも一様にテレビカメラに向かって笑顔をつくる。報道陣の「ガッツポーズをお願いします」「こちらに顔を向けて笑顔をお願いします」といった面倒臭いリクエストにも嬉々として従う。
ベテラン議員も初登院日に正門前へと足を運ぶことはあるが、この日の主役が初当選した議員であることは言うまでもない。
初登院日の正門前に集まるのは国会議員や秘書、事務所スタッフ、それを取材する報道陣だけではない。選挙をともに戦った支持者も多く集まる。そのため、当選した国会議員たちはその場に集まった大勢の支持者を前に改めて感謝の意を述べたり、これからスタートする議員活動への熱い抱負を述べる。さらに、昨今は特定の政党や政治家を応援するYouTuberなども集まる。
このように初登院日は普段とは異なり、国会正門前に多くの人が押し寄せ、お祭りのような状態になる。
マスコミに撮らせるためじゃない!
初登院日が当選議員の晴れ姿を披露する機会になっていることは間違いないが、他方で支援者たちの熱量を測るバロメーターという機能も果たしている。
例えば、山本太郎氏が立ち上げたれいわ新選組は2019年の参院選で特定枠から舩後靖彦氏と木村英子氏の2名を当選させた。このときの初登院日には支持者が正門前に集結。舩後靖彦氏と木村英子氏の2名を熱烈に出迎えている。