数々のドラマ、映画、バラエティー番組でも活躍
──バラエティー番組に出演するようになったきっかけは?
「ヤクザ映画に出演していると、イメージが悪くて、出演をオファーしても断られることが多かった。このままではヤクザ映画が廃れてしまう。危機感を感じて、バラエティー番組で親しみやすい姿を見せて、ホワイトな世界だと知ってもらい、後輩たちに“白いバトン”を渡したい、と思ったんだよ」
── “顔面凶器”という小沢さんの枕詞も、親しみが込められていると思います。
「世間の目が変わったな、と思うのは、最近はオレのインタビュー記事が、病院内のフリーペーパーに載ったりするんだ。オレのインタビューなんて心臓に悪いんじゃないかと思うけど、『病に苦しんでいる人が、元気が出るんです』だって。不思議だなって思うよ」
──63歳になられても挑戦を続けられるのはなかなかできないことだと思います。今後の野望はありますか。
「同い年63歳のトム・クルーズがライバルだと思ってるんだ。『ミッションインポッシブル8』でみせた、飛行機にぶら下がってるスタントとか見てると、ムラムラしてくるんだよ。俺らは予算が少ないから、ぶっつけ本番でもやってやると今でも思ってるよ」
「諦めが悪いことが自慢」と語る小沢さん。フィルムの中で“顔面凶器”の活躍をまだまだ見続けることができそうだ──。
(了。前編から読む)
取材・文/中野裕子 撮影/五十嵐美弥