1985年の山中氏の手帳に残されていた、美穂さんの落書き(山中氏の似顔絵)
「美穂の母親も若くして結婚して、20歳くらいで彼女を出産しています。美穂は子どもが好きで、ロケに行くと撮影そっちのけで見学している子どもたちと遊んでいました。
コンサートでも親子連れのファンが多く、親子に好かれた子でした。年の離れた弟も可愛がり、事務所に連れて来たり、必ずコンサートに呼んでいました。ステージに上げたりもしていましたよ。あの子は遊び心もあって、(1985年の)私のスケジュール帳に美穂の落書きも残っていました」
美穂さんは2002年に辻仁成氏(65)と結婚し、2004年に長男を出産。
「当時、周囲は美穂の結婚に反対していたようですが、私は自分の意志を貫くところが彼女らしいなと思いました。フランスへ渡り、母親になったと聞いて、昔から子どもが好きだった美穂は、念願だった自分の子どもを大事に育てたいんだろうな。いい母親になるだろうなと思いました」
しかし、結婚生活は長くは続かず、美穂さんは2014年に離婚して帰国。親権は拠点をフランスに置く辻氏が持った。
「父親に引き取られて、息子さんも苦労した親の姿を近くで見ているわけですから、大変だったと思います。別れた本当の理由は当事者にしかわかりませんが、美穂が子どもを置いて行ってしまったみたいな形になってしまっているのが、とてもかわいそうですし、残念ですね。
将来、美穂の息子さんが結婚して孫が生まれたら、かわいいおばあちゃんになるんじゃないかなと想像していました。いつか息子さんも“美穂はあなたを大切にしていた”ということをわかってくれる日が来ることを願っています」
「美穂は自分の人生を懸けた娘」と、語る“芸能界の父”の声は海の向こうへ届くだろうか。
山中則男「中山美穂『C』からの物語」(青志社)
著・山中則男/中山美穂『C』からの物語/青志社