自分には「弱い」部分があるという自覚があったという
自分には「弱い」部分があるという自覚
──薬に近づくまでに、体やメンタルに異変はなかったのでしょうか。
あったよ。胃潰瘍になって緊急入院したこともある。そもそも、俺は別に目は悪くないのにデビュー当時からサングラスかメガネ。主演映画でも外さない。素の瞳を見られるのが恥ずかしくて、どうしても照れがあって……俺の中には、そういう、どこか精神が弱い部分があるんだと思う。
──人前に出る仕事だけど、シャイな部分が。
俺、嫁の前でおならするのも嫌だったの。お袋が俺の前で絶対におならをしない人で、死ぬ間際に俺がお袋の背中をさすってあげていた時、腸の調子が良くなったのか、おならが出たんだよね。そんな時でも「ごめんね」って、お袋が俺に謝ってきた。その美学が俺のなかにも染み付いていて、俺もずっと家でおならしなかったんだけど、そうしたら腸閉塞になっちゃった。
そういう性格だから、努力してるのを見せたくないし、かといって、才能もないから何かに頼らなきゃという焦りがあったんだな、と今は思います。
もちろん、それを薬への理由にしたらダメ。それでも、この悩みが解消されるなら……という気持ちで手を出してしまい、それが依存症になっていくわけだけど。