約2年の刑務所生活を終えて、2022年10月下旬に出所
薬物依存症のリハビリで「変わった」こと
──田代さんは、自分を完璧主義的だと思いますか。
そうだね。たとえば舞台で、音響さんの間が悪くてコントの音がうまくハマらないと、「そこだと笑いが来ないんだよ」ってものすごく怒っていた。ステージでは絶対に失敗を許さない姿勢でやってきていたんだと思う。でも、その音響さんがまた同じステージで同じ失敗した時に、俺が「だから、そこじゃねえのになあ」と言ったら、それがウケたんだよ。今ならウケたのなら結果オーライだって思うよ。
それは、薬物依存症のリハビリをするなかで、「人間だから、失敗はする。ただし失敗しても、次に失敗しないためにはどうしたらいいのかを考えればいい」と思えるようにはなったからだね。
──何度も逮捕されて刑務所生活を繰り返したことで、人に対する考え方も変わりましたか。
傷つきたくなくて、薬物に何度も手を出した。逮捕や刑務所生活で俺から離れた人もいたし、それでも味方してくれる人もいた。今でも手を差し伸べてくれる人がいることを、俺は本当に感謝しなきゃいけない。
お袋に言われた言葉で、「辛いときほど笑顔でいなさい」というものがある。あと「どんな人にも優しくありなさい」「してあげたことはすぐ忘れなさい、してもらったことは忘れてはダメ」。それを俺はずっと守って生きていて、それは昔も今も変わらないよ。