ライフ

《新型コロナ感染から4年》嗅覚がいまだ戻らない警察官「遺体の腐臭も感じない…。現場でにおいがわからないのは致命的」

最後の緊急事態宣言からもうすぐ4年。2021年9月、菅義偉首相は記者会見で新型コロナウイルス対策で半年近くに及んだ緊急事態宣言を30日の期限をもって全面解除すると発表した(時事通信フォト)

最後の緊急事態宣言からもうすぐ4年。2021年9月、菅義偉首相は記者会見で新型コロナウイルス対策で半年近くに及んだ緊急事態宣言を全面解除すると発表した(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、いまも続くコロナ後遺症に苦しむ人たちについて。

 * * *
 全国的に新型コロナと百日せきが同時流行している。原因は猛暑。エアコンがなければ命の危険さえあるこの暑さだが、エアコン使用で部屋は乾燥。乾燥した部屋ではウィルスが増殖しやすいらしい。こまめに部屋の換気をと聞くが、こう暑くては窓を開ける気にならない。コロナ禍では徹底されていた換気対策だが、コロナの恐怖が去った今、こまめに換気する人も少ないだろう。

 コロナ禍の最中に新型コロナに罹患し、嗅覚が鈍くなってしまったいう20代の警察官に話を聞いた。コロナにかかったのは緊急事態宣言が解かれた頃。感染予防対策を万全にしていたとはいえ、不特定の人が出入りする派出所に勤務していたため、感染経路は不明。感染初期から味覚障害と嗅覚障害が起きた。症状が軽度であれば感染から数週間で症状が改善すると医師にいわれたが、「あれから数年たつが、まだ嗅覚が完全に戻らない」と彼はいう。

「既往症にアレルギー性鼻炎があり、花粉症の時期は鼻がつまり、ぐずぐずが止まらない。鼻が弱かったこともあるが、まさか嗅覚がなくなるとは。においがわからないというのは本当に困る」と彼は話す。「事故や事件現場に行くこともあるので、においがわからないとイザという時に危険のサインを察知できない」のだ。

 地方交番に勤務する彼の所には、日々、管轄する担当地域で起きた問題が持ち込まれてくる。「落とし物をした、犬や猫が迷子になったなどの届け出は嗅覚と関係ないので支障ないが、一人暮らしの高齢者の姿が最近見えない、あそこの部屋から異臭がするなどの連絡が入ると緊張する」という。

「猛暑でも、電気代がもったいないとエアコンをつけなかったり、体温調節がうまくいかず、暑い部屋の中で冬服を着ている高齢者もいる。そういう人にもしものことがあった時、現場でまず感じる違和感はにおいの変化。夏場、亡くなって数日経っていれば遺体は腐臭を放ちます。遺体が発するにおいは独特で、嗅いだことのある警察官ならすぐにわかる。でも鼻が利かないとにおいが拾えない。部屋の中の状態が推測できない。異臭がすると訴えられても、においの強さもどんなにおいなのかもわからない」(警察官)

 コロナに罹る前は、締め切った高温の部屋で食べ残しが腐っているにおいと、遺体のにおいの違いがわかったが、今は何も感じないという。

「警察官の仕事にこんなに嗅覚が必要だとは思いませんでした。嗅覚がなくて助かるのは腐乱した遺体を処理する時ぐらい。刑事になりたいと思っていましたが、現場でにおいがわからないのは致命的。危険物や薬物があっても自分には察知できない。ガソリンやガスが漏れていてもわらかない。火災現場で働く消防士もそうでしょうが、においは人の命に係わることもある。嗅覚が戻らなければ現場は無理でしょう」(警察官)。嗅覚障害は彼の未来を変えてしまったのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン
2022年にHKT48を卒業した松本日向
【ボートレース全国24場を踏破】元HKT48・松本日向が語る「趣味→仕事」の楽しさ「負けすぎて『ギャラないじゃん!』ってことも」
NEWSポストセブン
大谷の口座から26億円を受け取った胴元・ボウヤーが独占取材に応じた(Aflo)
《独占スクープ》大谷翔平の26億円を騙し取った“違法賭博の胴元”が告白!「水原一平、エンゼルスとの本当の関係」【蜜月ポーカー写真の存在】
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
《父・水谷豊は1人娘の背中をそっと押して》女優・趣里と三山凌輝、結婚発表の直前まで続いていた母・伊藤蘭との「家族会議」
NEWSポストセブン
比例でトップ当選を果たした石井章氏に浮上した“税金還流疑惑”(写真/共同通信社)
秘書給与不正受給疑惑の石井章・参院議員 2022年には“ファミリー企業”や“幽霊会社”への税金還流疑惑も
NEWSポストセブン
今年もMVPの最有力候補とされる大谷翔平(写真/Getty Images) 
《混迷深まるハワイ別荘訴訟》「大谷翔平は購入していない」疑惑浮上でセレブ購入者の悲痛、“大谷ブランド”を利用したビジネスに見え隠れする辣腕代理人の影
女性セブン
志穂美悦子との別居が報じられた長渕剛
《長渕剛・志穂美悦子についに別居報道》過去の熱愛スキャンダルの時も最後に帰った7億円豪邸“キャプテン・オブ・ザ・シップ御殿”…かつては冨永愛が訪問も
NEWSポストセブン
学校は誠実な姿を生徒たちに見せることができるだろうか(HPより)
《ゴルフの名門・沖学園高等学校で複数の暴力事案が発覚》激怒した寮長の投げた金属製コップが生徒の目元に直撃…流血で数針縫うケガ
NEWSポストセブン
死因は上半身などを複数回刺されたことによる失血死だった(時事通信フォト)
《神戸女性刺殺》谷本将志容疑者が被っていた「実直で優秀」という“仮面” 元勤務先社長は「現場をまとめるリーダーになってほしかったくらい」と証言
週刊ポスト
「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)
“謝罪なし対応”の広陵高校野球部、推薦で入学予定だった有力選手たちが進路変更で大流出の危機 保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめると聞き、うちも…」
週刊ポスト
還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
NEWSポストセブン