スポーツ
広陵高校野球部への告発

【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏

 沖縄尚学の優勝で幕を閉じた今夏の甲子園。大会期間中、大きな関心を集めたのが広陵高校の暴力問題だった。「不祥事による大会途中での出場辞退」という史上初の事態となり、広陵高校は決勝直前に中井哲之監督の「交代」を発表。当事者はどう受け止めたのか。被害を受けた生徒の父親に取材したノンフィクションライターの柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 更迭ではなく、交代。引責辞任ではなく、ただの退任。野球部の監督こそ離れるものの、広陵の副校長や理事に関しては留任――。

 夏の甲子園がいよいよクライマックスを迎えようとしていた準決勝の日(8月21日)、高校野球における広島の名門・広陵高校は甲子園通算41勝を誇る中井哲之監督が退任し、同校のOBである松本健吾コーチに監督を交代すると発表した。しかし、その理由は「本校硬式野球部をめぐり多くのご意見をいただいている状況」を踏まえたとしか説明せず、中井監督のコメントもなかった。

 また、現1、2年生による暴力やいじめがなかったことを確認し、新たな体制で来春のセンバツ甲子園につながる8月23日からの秋季大会に出場するとした。広島県高野連も声明文を発表、広陵に対して「被害者及び被害者家族に対して丁寧な対応と説明を行なうこと」といった複数の指導内容を提示した。

 この決定に、呆れに近い感情を抱いているのが今年1月に硬式野球部内で発生した集団暴行事件の被害者A君(当時、1年生)の父親だ。A君の父親は広陵に対して、中井監督および堀正和校長の謝罪会見と、再発防止策の徹底を要求していた。A君の父親は今回の対応についてどう受け止めたのか。

「学校として、とりあえず中井監督に責任を取らせました、という事態を収束させるための一時的措置のような気がしてしまいます。引責辞任だという発表もしなかったため、副校長として野球部に影響力を持ち続けるのでは……」(A君の父親。以下同)

 そう言って声を落とした。確かに、監督の責任については言及せず、引き続き学校の理事兼副校長を続けるとなれば、ほとぼりが冷めた頃を見計らって、野球部に復帰する腹づもりだろうと勘ぐってしまう。

 新しく監督となった松本氏は、5人いたコーチのなかで、中井監督の長男で部長だった惇一氏に次いで若く、広島の高校野球に詳しいメディア関係者によると、「副部長という立場だが、これまで中井監督の後任の人事として名前が挙がったことのないコーチ」だという。さらに惇一氏に代わって部長に就任したのはこれまでバスケットボール部の顧問をしていた瀧口貴夫氏だ。

「関係者に新監督のことを聞くと、生徒の受けが良いコーチだそうです」

 両者の就任によって野球部の風通しは良くなるだろう。しかし、当たり障りのない人事にも見え、長期的視野に立って名門野球部の再建を託す人材登用とも思えない。実際、中井監督の退任発表後、スポーツ紙などの取材に対して同校の事務局長は復帰の「可能性はゼロではない」と応答したと報じられている。63歳になる中井監督やその長男であり、近い将来の監督就任が噂されていた後継者の惇一氏が現場に復帰するまでの「つなぎ人事」とも考えられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
ネット上では苛烈な声を上げる残念な人がうごめいている(写真/イメージマート)
ネットで見かける残念な人たち…「朝ドラにイチャモン」“日本人じゃないと思う”の決めつけ【石原壮一郎さん考察】
NEWSポストセブン
荒川区には東京都交通局が運行している鉄道・バスが多い。都電荒川線もそのひとつ。都電荒川線「荒川遊園地前」そば(2020年写真撮影:小川裕夫)
《自治体による移動支援の狙いは》東京都はシルバーパス4割値下げ、荒川区は実質0円に 神戸市は高校生通学定期券0円
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
「戦争から逃れてアメリカ移住も…」米・ウクライナ人女性(23)無差別刺殺事件、犯人は“7年間で6回逮捕”の連続犯罪者
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン
大ヒット上映を続ける『国宝』の版元は…(主演の吉沢亮/時事通信フォト)
《映画『国宝』大ヒット》原作の版元なのに“製作委員会に入らなかった”朝日新聞社員はモヤモヤ  「どうせヒットしないだろう」とタカをくくって出資を渋った説も
週刊ポスト
米マサチューセッツ州で18歳の妊婦が失踪する事件が発生した(Facebookより)
【犯人はお腹の子の父親】「もし私が死んだらそれは彼のせい」プロムクイーン候補だった18歳妊婦の失踪事件「# findKylee(# カイリーを探せ)」が最悪の結末に《全米に衝撃》
NEWSポストセブン
不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
「不倫の“証拠”には『強い証拠』と『弱い証拠』がある」探偵歴15年のベテランが明かすまず集めるべき「不貞の決定的証拠」
NEWSポストセブン
違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン