スポーツ

阪神・佐藤輝明、無名の高校生が覚醒するまでを恩師らが振り返る 好調の要因は「バッティングフォームに対する理解が深まっている」と自己分析

今年は何が違うのか(時事通信フォト)

今年は何が違うのか(時事通信フォト)

 セ・リーグを独走する阪神で主砲を担うのが、プロ5年目の“サトテル”こと佐藤輝明だ。新人時代から“大器”といわれながら、突き抜けた存在になりきれなかった選手は、いかにして覚醒したのか。【前後編の後編。前編から読む

打球が飛びすぎて民家の屋根が壊れた

 兵庫県・仁川学院高校の元監督・馬場弘之に「見てほしい選手がいる」と言われた縁で、高校3年生だった佐藤のフリーバッティングを見た近畿大学野球部の前監督・田中秀昌氏は、この子は将来、絶対にプロだと確信したという。

 スイングが速く、振りが柔らかい。フォローの大きさにも目を惹かれた。だが、佐藤は仁川学院高校で2年夏の兵庫県大会4回戦が最高成績、甲子園への出場はない。

「ただ、困ったことに大学のスポーツ推薦の基準(高校の県大会ベスト8以上で試合出場)に届かない。大学側に掛け合ってプロのスカウト部長クラスの推薦状があればOKという話になり、たまたま同級生のスカウト部長がいたので書いてもらえたんです。ただ、短大(短期大学部)のスポーツ推薦でした」(田中氏)

 2年まで短期大学部の学生として試合に出場し、3年で近畿大の編入試験を受けるという異色の歩みとなった佐藤。大学時代はその打球の飛距離をめぐる逸話が多く残る。

「当時、普段の練習に使うグラウンドはフェンスを越えると原っぱの先に民家があった。3年の春頃になると佐藤の打球が飛びすぎて、住人の方が“危ないぞ”“屋根が壊れた”とボールを持って苦情を言いに来るようになったんです。10年やっていて初めてのことでした。

 防護ネットの新設は莫大なカネがかかるので、それからは山の上にある別のグラウンドで練習をするようになった。佐藤が卒業したら、もとのグラウンドでの練習に戻りました(笑)」(田中氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン