『Wink』時代は”笑わないアイドル”といわれていた

『Wink』時代は”笑わないアイドル”といわれた

「相田翔子としてのリングがステージ」

 だが、中学生だったため年齢制限に引っかかり、不合格に。その後、友人に誘われて受けた芸能オーディションをきっかけに歌手への道が拓けた。高校卒業直後に『Wink』としてデビューが決まった時も変わらず人前に立つことが苦手だったが、鈴木早智子との出会いがあったことで、「2人組ならやれるかもしれない」とかつてリングで見た“女の友情”を重ねたのだと語る。

 女子プロレスへの愛は色褪せず、元祖アイドルレスラーの井上貴子とはプライベートで交流を深めている。同じ夢を追いかけた同級生という共通点があり、「見てきたことや考えてきたこと、悩みや将来の考え方も同じで、ずっと話していられる」ほど、意気投合しているという。井上は55歳の現在も女子プロレス団体『LLPW-X』で現役を続けており、その闘志が励みにもなっている。

「貴ちゃんの試合を観て感動して、神取(忍)さんと3人で食事をした時に『皆さん、オーラが神々しくてかっこよかったぁ』と伝えたら、ふたりで声を揃えて『私たちがリングで輝かなくて、どこで輝くの?』って。その言葉がすごく響いちゃったんですね。私が力を発揮して光り輝くのはライブだ、相田翔子としてのステージが自分にとってのリングなんだと、背筋が伸びたんです。7年くらい前の話です。輝きを保てるように努力して、最近はいつもとは違う自分を見てもらいたくて、冒険もしました」

 配信中のWebLEON「美しい人」連載では、衣装では普段選ばないジーンズを着用した他、大胆に肌見せをした“攻めたスタイリング”にもトライ。「シースルーで背中が全部開いていて、エーッ!?って(笑)」と衝撃を受けながらも、颯爽と着こなした。「直立して手を前で重ねるのが定番で唯一のポーズ」と語る彼女がラフに脚を投げ出すなど、これまでだったらありえなかったポーズにも“女子プロレス仕込みの闘志”で果敢に飛び込んだ。

 プロレスといえば……と、とっておきのエピソードも語ってくれた。

「“貴ちゃんは夢を叶えた人、私はそのリングに上れなかった人”という言い方をよくするんですが、貴ちゃんの30周年記念大会(2018)でリングに上がる夢が叶ったんです! 自分で考えた『ゴルゴンゾーラ翔子』のリングネームもコールしてもらって、もうゾワーッとしちゃって」

 アイドル歌手として違う道へ進んだけれど、「頑張ってきてよかったなって」と目を輝かせた。相田には、この道を歩んでよかったとかみしめた、忘れられないひとときが他にもあったと明かす。それは地元・東村山が生んだ“レジェンド”にまつわる想い出だった――。

後編につづく

写真は「WebLEON美しい人 相田翔子」(主婦と生活社)より

撮影/浅井佳代子 取材・文/渡部美也 プロデュース/Kaori Oguri

◆プロフィール 相田翔子(あいだ・しょうこ)/1970年2月23日生まれ、東京都出身。1988年に鈴木早智子とともにアイドルデュオ『Wink』として歌手デビュー。1996年に活動停止後、ソロとして全曲自作のアルバムを発表した。また、『世界ウルルン滞在記』や『笑っていいとも!』などバラエティでも人気を博し、ドラマや映画で俳優としても活躍している。

貴重な”背中まる見え”ショット

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「美しい人」がテーマの優雅な撮影だったという

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