松本智津夫・元死刑囚の二男宅(時事通信フォト)
約11年にわたる不報告
妻は、オウム真理教の中でも最高幹部のひとりとして「マハーマーヤ」、のちに「ヤソーダラー」というホーリーネームで知られた。オウム真理教時代には、1990年の衆議院議員選挙にも「真理党」の候補として出馬したことがある。
今回の公安審査委員会の「決定の概要」と題する資料にはこう記されていた。
〈【1】(妻と二男が)被請求団体(アレフ)の役職員及び構成員であるにもかかわらず、これらを報告せず〉、【2】20歳未満の構成員が存在するにもかかわらず、 これらを報告せず、【3】在家構成員の一部について、報告書を空欄にして報告せず、【4】位階制度を設けているにもかかわらず、出家構成員の位階を報告しなかった〉
加えて、妻と二男に関連して〈両名が活動の拠点としていた施設に係る不報告が約11年と長期間に及んでいる〉とも言及している。
同決定を受けた公安調査庁のコメント(9月3日付)でも、〈麻原の妻については、団体から送金された資金の管理や、団体の活動の用に供されている施設の管理を行うとともに、団体の運営に関する会合に参加するなどしてきたことが認定されております〉と指摘されている。
公安当局はこの7月、二男が2代目「グル」を自称し、妻も「後見的に補佐する立場」にあるとみる姿勢を明らかにしている。資金の流れなどを含め、当局は今後もアレフの活動実態を引き続き注視していく方針だ。