女子高生は凌辱の限りを尽くされたという(写真はイメージマート)

女子高生は凌辱の限りを尽くされたという(写真はイメージ)

「おい、何秒以内に脱がないと……」

 Aがしびれを切らしかけている。キレたらおしまいだ。が、どうにかしてこの場をしのぎたかった。なんとかして時間をかせげば見逃してもらえるかもしれないとカズキは思った。

 先に、Aに脅されるようにせきたてられたヒロが強姦したが、「だめだった」とカズキの 横に戻ってきた。こんどはカズキの番だった。なおも断り続けたが、あきらめるほかなかった。

 コンドームはAがはめた。Bが、カズキの腰を摩りながら、押した。Bが腰を抱えて押したり引いたりした。Bが「出たか?」と聞いてきた。あっという間にカズキは射精した。

 女性はうつろな顔だった。放心状態だった。かわいそうだから、はやく終わらせよう、その一心だった。カズキは早漏だ、とはやしたてられた。ヒロのほうを見ると、マスターベーションをしていた。

 この日、輪姦に加わったのはDとカズキ、ヒロの三人だった。Bは「かんべんしてください」と最後まで拒んだ。というのは前日、Bが女性と二人きりになったとき、レイプをしたBは、女性に対して好意を持つようになっていたからだ。

 けっきょくカズキは帰るに帰れず、朝までCの部屋にいることになる。Cの部屋を出たのは外が明るくなってからのことだった。

第2回につづく)

【著者プロフィール】
藤井誠二(ふじい・せいじ)
1965年愛知県生まれ。高校時代より社会運動にかかわりながら、取材者の道へ。著書に、 『殺された側の論理』(講談社プラスアルファ文庫)、『光市母子殺害事件』(本村洋氏、宮崎哲弥氏と共著・文庫ぎんが堂)、人物ルポ集として、『「壁」を越えていく力』(講談社)、『路上の熱量』(風媒社)、『「少年A」被害者遺族の慟哭』(小学館新書)、『体罰はなぜなくならないのか』(幻冬舎新書)、『死刑のある国ニッポン』(森達也氏との対話・河出文庫)、『沖縄アンダーグラウンド―売春街を生きた者たち』(集英社文庫)など著書・対談等50 冊以上。愛知淑徳大学非常勤講師として「ノンフィクション論」等を語る。ラジオのパーソナリティやテレビのコメンテーターもつとめてきた。

判決公判で傍聴券の抽選をする人たち/東京・霞が関の東京地裁(時事通信フォト)

世間を震撼させた女子高生コンクリート詰め殺人事件・判決公判で傍聴券の抽選をする人たち/東京・霞が関の東京地裁(時事通信フォト)

女子高生コンクリート詰め殺人で、初公判が開かれた東京地裁法廷=1989年7月31日午後(共同通信)

女子高生コンクリート詰め殺人で、初公判が開かれた東京地裁法廷=1989年7月31日午後(共同通信)

女子高生は41日間にわたって監禁され、凌辱の後コンクリート詰めにされた(写真はイメージ)

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女子高生がコンクリート詰め遺体で発見された東京都江東区若洲の埋立地=1989年3月30日、東京都江東区若洲(共同通信)

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