最終回が目前に迫ったNHK朝ドラ『あんぱん』。放送開始以来、作品の人気を支えてきたのが主人公2人を取り巻く個性豊かなキャラクターたちだ。ダブル主人公・のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)が戦後のガード下で出会った戦災孤児・木月アキラを演じた齊藤友暁が撮影での手応えを明かした。
木月アキラ役を演じた齊藤友暁(写真提供/NHK)
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私が演じたアキラは戦災孤児で、妻夫木聡さん演じる八木(信之介)に拾われた後、仕事を一緒にして嵩さんの作品の出版に深く携わる役どころでした。
時代の移り変わりや日本の戦後復興までの時間の流れをとてもよく実感できる役でしたね。
戦争という重い時代背景があったからこそ、戦後は出版に懸ける思いを強く抱いた。そんなアキラに関わるみんなからの愛情を受け取り、演じることができたと思います。
自分は文化や言葉の大切さを受け止め理解したうえで、あえて重さを感じさせずにラフに表現することを心掛けました。
撮影初日、ド緊張していた自分に妻夫木さんが「お昼ご飯を一緒に食べよう」と声をかけてくださり、一気に肩の力が抜けて現場に馴染むことができました。
妻夫木さんはモデルの会社・サンリオの企業理念「みんななかよく」を形だけでやりたくないよねと話してくれました。
現場では積極的にアキラや粕谷さんとコミュニケーションをとってくれて、カメラが回っていない時も本番で役として生きやすいように、たくさんの話をしました。
心から、妻夫木さんのような俳優になりたいと思いました。
作品と向き合う姿勢、心構え、クリエイティブな想像力など、本当に多くを学ぶことができ、一生忘れない財産です。
最前線で活躍される先輩方とまた共演したいですし、そう思ってもらえる俳優になりたいです。
【プロフィール】
齊藤友暁(さいとう・ともあき)/1997年生まれ、東京都出身。主な出演作品に映画『野球部に花束を』など。9月25日より開始のNetflixドラマ『今際の国のアリス シーズン3』に出演予定。
※週刊ポスト2025年10月3日号