熱戦が続く秋場所の土俵
大の里と豊昇龍、どちらが優勝しても横綱として初優勝となる大相撲秋場所。国技館では連日の満員御礼が続いている。横綱や大関が優勝争いを引っ張り、しかも東西の横綱が土俵を締める。
「最後の最後まで誰も席を立たず、熱い声援を送る。土俵下にいるともの凄い、最高の雰囲気です」
そう話すのは、11月の九州場所では控え行司のすぐ隣の溜席に着物姿で15日間通い続け、「着物美人」としてネットニュースに取り上げられたこともある女性だ。国技館でも着物姿で溜席やマス席で観戦する姿がNHK大相撲中継にも映っている。12日目は西花道の溜席でブルーの着物で観戦していた。打ち出し後、声を掛けるとこんな感想を漏らした。
「まだまだ暑いですね。この時期は単衣の着物で観戦することが多いですが、今日は夏大島でした。夏用で一般的には9月上旬までの着物ですが、ちょうどよかったです」
笑顔で国技館を後にした着物美人が言うように、結びの一番が終わるまで席を立つ人がほとんどいない。打ち出し後は出口が混むため、早めに席を立つ人も少なくないのだが、今場所に限っては両横綱の勝敗が優勝争いを左右するので最後まで土俵に注目が集まっている。最近は平幕優勝や横綱の休場が続いたりしていたところ、本来の相撲に戻ったかたちだ。