国政の舞台に戻ってきた泉氏

──どのような違いでしょうか。

 市長は地方行政のトップです。市長になったその日から権限を行使することができます。今回の新刊『公務員のすすめ』でも書いているとおり、公務員の中に入っていって、すぐに一緒に仕事を始めることができる。そして、同時に責任も負います。市長に就任したその日に何か不祥事が起きたり災害が起きたりすれば、その責任も負うことになる。責任と権限は常にセットなのです。

 市長に就任した瞬間から、24時間365日、気の休まることのない日々がスタートする。そうした緊張感の中で12年やってきた身としては、今回国政に戻ってきて、国会議員になったところで責任や権限というものからはまだまだ遠いところにあると痛感しています。もちろん20年前にも2年間衆議院議員をやっていたから知らなかったわけではないけれど、行政府のトップである首長と、立法府のワンオブゼムである国会議員は、どちらも市民に選ばれた政治家とはいえ、まったく違う職業だとあらためて実感しているところです。

──政策を実現させるプロセスがまったく違うわけですね。

 政治というのは結果と責任の両輪だと私は思っています。結果というのは、市民・国民に安心を届けて、みんなを笑顔にすること。そして、そこまでの責任を負うのが政治です。

 市長の場合、その結果に到達するための図式は比較的シンプルな一次方程式が多く、スピード感をもって解を導き出すことが可能です。例えばX×2+1=7というような方程式のイメージ。これならば、きちんと手順通りに計算しさえすれば、X=3という解が導き出せるでしょう。

 ところが国政となると事情は相当に違ってきて、かなり複雑な多元連立方程式になってくる。XYZなどがやたらいっぱい出てきて、それも2乗や3乗がいくつも並んでいて、これってほんとに答えがあるの? どこから手をつければいいの?という感じ。

 しかし、私は「それでも答えはある」と思っています。それが私の特徴でしょう。地方自治の方程式とは違ってXがすぐに導き出せず、YやZの5乗などから解いていかなければならなくても、国民の笑顔という結果にたどり着くまでの解を、どんなに遠回りをしても解いていくつもりでいます。政治家の多くは、「あ、これは無理、こんな複雑なのは解けない」と内心で思っているのかもしれません。しかし、「解けない」と政治が諦めてしまうと、官僚に任せるしかなくなってしまいます。

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